知能指数



「ねぇ」
 久しぶりに会うて心の中舞い上がっとった俺に向かって、その日、は突然言った。
「信五って、バカ?」

はん?何言うてますの?」
 こめかみを引きつらせつつも笑顔で聞き返す。
 なんや、俺のこと見つめるから告白でもしてくるんかと思うたんに。
 口開いたらそれかい!!
「だって、あり得なくない?」
「は?何が?」
 何が「あり得なくない?」だよ。
 訳が分からんっちゅーねん。
「…IQ低すぎ」
 う。
 い、言い返せへん。
「見たんか…」
 あれは、キッツイ現実やってんな。
 番組の企画で測ったけど、 俺のIQ低すぎやん。
 言うても、一緒に測った他のメンバーも殆ど変わらんかってんけど。
「もう、ショックだったよ」
 呆れたようにが言う。
「勝手にショック受けんなや」
 こっちがショックやっちゅーねん。
「ねぇ、人間のIQの平均値は分かってるよね?」
「…100です」
 なんか、怖いわ。
「信五のIQ、二桁だよ?」
「はい」
 その通りですよ。
 事実やから仕方ないけど。
「しかも、まだ90位だったら笑って済ませるけど、あれは低すぎ」
 なんやねん!
 なんで、たかがIQでそこまで言われなあかんねん!!
「そんなん、どっちでもええやろ!」
 いくらでもムカツクわ。
「信五?」
「だいたい、だって測ったら俺より低いかもしれへんやろ!」
 そうや。
 人のことばっかり笑ってからに!
 自分が低かってもバカ呼ばわりするんかい!?
「私、3桁あるよ?」
 …は?
 今、何て?
「むしろ、120位なんだけど」
 ひゃ、ひゃくにじゅう?
「う、嘘やん…」
「嘘言ってどうすんのよ」
「せやけど…」
 ホンマなんか?
 のIQホンマにそない高いんか?
「何うなだれてんの?たかがIQで」
 たかがって、言い出したのやんか…。
「でも、本当にショックだったのよ?」
 分かったって。
 もう、ええから…。
 俺のこと放っといてくれへんか?
「だって、自分の好きな人が情けないのって、なんか嫌じゃない」
 ん?
 ちょぉ、待って。
 今、何て言うた?
「好きって…」
 うわ。
 声にならへん。
「信五、何て顔してんの?」
 や、やって…。
「なぁに?顔、真っ赤にして」
「な、何って」
 好きな女にいきなり「好き」言われたら誰やってうろたえるっちゅーねん!!
「あ、まさか、告白かと思った?」
 え?
 ちゃうの?
 、なんや笑い方が嫌やねんけど…。
ちゃん、俺のことが好きやねんなぁ?」
 後ろから、めっちゃゴキゲンな声が聞こえた。
 この声…。
「あ、亮ちゃん♪」
 なんや、めっちゃ嬉しそうやねんけど!?
 何でなん!?
「何でオマエがおんねん!?」
 分からん!
 ホンマに分からん!
「何でて、ちゃんに呼ばれたからに決まっとりますやん」
 むっちゃ笑顔で言いよるし。
?」
 何で!?
 俺と一緒にメシ食ってくれるんちゃうんかったんか?
 喜んでくれとったやんか。
「えー?だって、信五と約束した後、亮ちゃんも食事に誘ってくれたからさぁ」
「ねー」
 見つめ合って笑ろうとるし。
 なんやそれ!?
「そんならそうって言えや!!」
 こいつら、こない仲よかったんか?
 俺、一人で舞い上がってたんか?
 いかも、コイツに見られてもうて。
 なんや、俺がアホみたいやんけ。
「あれ?亮ちゃん言ってなかったの?」
「俺はちゃんが言うとる思っとった」
「信五、ごめんねぇ?」
 申し訳なさそうな
 ちょっと、許してやらなあかん気になってきた。
 が。
 だーれかさんの方はニヤニヤしてやがる。
 絶対言い忘れたのわざとやろ、オマエ。
「んで、ちゃんは、俺のが好きやんな?」
 仕事でも見せないくらいの笑顔で聞きやがる。
「何言うてんねん。は俺のが好きやんな?」
 負けてられへん。
 引いた方が負けるのは目に見えとる。
「あはは。二人とも好きだよ」
 が笑っている。
「二人ともってなんやねん」
 そうや。
 なんやねん!
「だから、二人とも好きだよ?友達として」
「え?」
「は?」
 こ、これは…。
 同時玉砕?
「なんてね」
 へ?
「ちょ、ちょぉ!今のどういう意味なん?」
 打ち消したってことは?
 どっちかのことが友達としてじゃなく好きってことやろ?
ちゃん?どういうこと?」
「せや!、どういうことやねん!」
 はっきりせい!
「もう、いいじゃん。早くご飯食べに行こう?」
 ため息をつく。
「よくないって!」
「もぉ、バカな信五には分からないからいいの!」
 なんやその切り返し!?
「え?バカ?なんや、バカ呼ばわりされとんの?」
「うっさいわ!」
 もう、その話はええっちゅうねん!
「ねね、ちゃん何でやの?」
 聞くな!
「だって、IQ低いもん」
 答えるな!
「もぉ、お前ら最悪や!!」
 なんやねん。
 なんやねん。
 いじめか?
 俺に対するいじめなんか?
「ふてくされてるのはいいけど、追いてくよ?」
 え?
 は?
 って、ら、もうだいぶ離れとうし!
「まってーな!!」

 で、それからだいぶ経つねんけど…。
「あ、信五!今日も亮ちゃん一緒だから!」
「は?何で!?」
「仕方ないでしょ、二人が忙しくて同じ日しか空いてないんだから」
「せやけど!」
「どっちかにしか会わないようにしたら、今までの二回にしか会えない計算になるけど、良いの?」
「…う」
 まだ、が好きなのが誰なんかわからんまま。



あとがき
またかいちゃった♪(爆死)
アホみたいにヒナばっかり増えてますね、ここのところ。
こんなんでええんやろか…。
長編も岡田さんで、私の脳はどうやら関西弁がブレイク中らしいです。(苦笑)