好き。



 指先が、君に触れた瞬間。
 あの時、僕は君に恋したんだ。

 この気持ちが、恋なんだと思う。
 君の姿を見るだけで、ドキっとして。
 君の声を聞くだけで、ドキドキして。
 君の近くにいるだけで、顔が赤くなって。
 君と話をした時なんか、もう、口から心臓が飛び出しそうだった。
 僕は、どうしたらいいんだろう。
 この気持ちを君に伝えるべきなんだろうか。
 告白するべきなんだろうか。
 でも、君は二宮の友達で。
 僕とはほんの少ししか話したこともなくて。
 こんな僕が「好きだ」って言っても、返事なんて出来ないだろうな。
 僕は、一体どうしたらいいのだろう。

「大野くんっ」
 仕事が終わって帰ろうとしたら、二宮が声をかけてきた。
「ん?何?」
 僕は足を止めて振り向く。
「今から、時間ある?」
「今から?」
 今日の仕事はこれで終わりだし。
 特に用はなかったはず。
「うん。あるけど…」
「よかったー」
 二宮が心底安心した表情を見せる。
「あのさ。今から俺、とカラオケ行くんだけど、一緒にどう?」
 胸が、大きな音をたてる。
「もちろん、強制じゃないよ?人数多い方が楽しいかなーっ?て思っただけだから」
「行くっ」
 行くに決まってる。
 僕の大好きなちゃんがいるんだから。

 やたら盛り上がってるカラオケ。
 3人しかいないのに。
 ちゃんがいるってだけで、僕はテンションが狂ってる。
 とにかく、うれしくて。
 あと、恥ずかしくて。
 二宮がノリやすいタイプだから、2人で壊れて。
 なのに。
「俺、ちょっとトイレ!!」
 なんて、二宮がいなくなって。
 ちゃんと2人きり。
 心臓バクバクで。
 どうしていいのかわからない。
 ちゃんも、僕も、黙ったままで。
 気まずい。
「あ、あのさっ」
 勇気を出して、声をかける。
「何?」
 ちゃんが僕の方を向く。
 視線が合う。
 恥ずかしくて、僕はうつむいてしまう。
「今日はゴメンね。突然僕まで参加しちゃって」
 少し、声がうらがえった。
「ううん。違うの」
「…え?」
 違う?
 何が?
 ちゃん?
 リアクションおかしいよね?
「突然じゃないの」
 突然じゃない?
「どういう、こと?」
「ニノに、頼んだんだもん」
「…へ?」
 頼んだ?
 二宮に?
 何を?
「大野くん、連れてきて欲しいって」
 僕を?
 ちゃんが?
「私が、ニノに頼んだの」
「な、何で?」
 わかんない。
 ちゃん、何を考えてるの?
「言おうと思って。ずっと、言いたかったこと」
「え?」
 言いたかった?
 僕に?
 何を?
 わかんないよ。
 わかんないって。
「私、ね」
 何?
 何を言うつもりなの?
「大野くんのこと、好き…なの」
 …。
「好きって、伝えたかった」
 好き。
 好き。
 誰が?
 ちゃんが。
 誰を?
 大野くん。
 …僕?
 ちゃんが、僕を好き?
「えぇぇぇぇえ!?」
 ちゃんが僕を好き!?
 それって。
 両思いってこと!?
「やっぱり、驚くよね…」
「あ、当たり前だよっ」
 ありえないって思ってたんだもん。
 僕は、ちゃんが、好きで。
 だけど、一目惚れみたいなもので。
 まさか。
「驚きますよね。迷惑…」
「そりゃ、驚くよ!好きな女の子に告白されるなんてっ!!」
 あれ?
 言っちゃった…?
「大野くん…?今、なんて…?」
 言わなきゃ。
 僕の気持ち。
 伝えなきゃ。
「僕、ちゃんのこと、好きです」
 言えた。
 伝えた。
 キマった?
ちゃんが、好き」
 彼女の目を見て、もう一度言った。
 ちゃんは、瞳から涙をこぼした。
「うれしいっ」
 そう言ってくれた。

「いや、よかった!本当に良かった!!」
 二宮が満面の笑みで僕の隣に座っている。
 座ってるんだ。
 喜んでくれるのは嬉しい。
 嬉しいけどさ。
 なんで僕とちゃんの間に座るの!?
「もう、から相談されたときはどうしようかと思ったけどさー」
 バシバシ背中叩くなよ。
 痛いって。
「大野くんもが好きだったんだねー」
「いいかげんにしろよっ」
「でもさー」
 って、無視かよ!?
「よかったね、
「うん!!」
 …って、それで終わりー!?


あとがき
遂にやってしまいました。大好き大宮SK!!(爆)
ふ、深く考えないでいきましょー。いえ~。