僕らの魔法使い



 彼ら曰く、私は魔法使いらしい。


「おっじゃましまーす!」
「おい、!いねーのか?」
「勝手にはいるん良くないって!」
 三者三様の台詞を吐きながら人の家に勝手に上がり込んでくる男3人。
 まぁ、今日来るっていう連絡はあったけど。
 っていうか、一体いつ作ったのよ、合い鍵。
「いらっしゃい」
 考えていることは顔に出さないようにして、笑顔で出迎える。
 彼らが忙しい仕事の合間にわざわざ遊びに来てくれていることが分かっているから。
「お、いるんじゃん。ほい、コレ」
 剛くんが紙袋を掲げて言った。
「いるわよ、来るって連絡あったんだから。コレ、何?」
「ケーキだよ。食後のデザート」
 健くんが言う。
「ほら、がご飯作ってくれるって言ったから。なんかお返しみたいなことしたい思って。これは俺から」
 ワインを片手に准くん。
「ワイン?剛くんと健くんは飲まないんじゃないの?」
「いいんだよ、のだから」
「そういうこと」
 准くんだけじゃなく、健くんも笑っている。
「ありがとう。じゃぁ、頂くね」
「なぁ、今日は何食わせてくれんの?」
 剛くんは既にテーブルについている。
 …早いよ。
「さて、何でしょうね」
 答えてやらない。
 常に従順なんて思わないでよ?
「何でもイイから早く食わせろよ」
 ムカッ。
 何よ、その言い方。
「剛くん、その言い方は良くないで?」
「違うよ。剛はね、の作ったモノならなんでも美味しいから早く食べたいっていってるの」
 はぁ?
 って、剛くんなんか顔赤いし。
 健くんの通訳あってるんだ?
 なんか、可愛いぞ♪
「じゃぁ、用意するから席着いて?」
「はーい☆」
「俺、手伝うよ」
「ありがとう、准くん。じゃぁ、グラス用意して?」
「了解」
「あ、!俺も手伝う!!」
「いいよ、健くん。狭いキッチンに3人も入らないから」
「え?あ、うん。そうだね」
 あ、明らかに落胆した声…。
 失敗した!
「えと、じゃぁ、健くんは魔法の準備して?」
「分かった!」
 健くん、復活したかな?
 よかった。
 料理をテーブルに並べて席に着く。
「じゃ、魔法の時間だね」
 健くんがにっこり笑う。
「早くしろよ」
 あー、これは剛くんからですかね。
「剛くん、お仕事毎日ご苦労様。ちゃんと連絡くれれば、いつでもご飯作って待ってるからね」
 魔法って言っても、ただ、ほんの少しの言葉を口にするだけ。
「健くん、お仕事、頑張りすぎないでよ?疲れた時とか何かあった時は、遠慮しないでいつでも電話かけてきていいからね?」
 それだけなんだけど、それを魔法だって言ってくれる。
「准くん、仕事が立て込んでるみたいだけど無茶はしないでね。私で力になれることがあったら言って」
 3人とも、本当に魔法にかかったみたいに表情が変わる。
 何の変哲もない、普通な私の言葉でいいなら、いくらでもあげるよ。
「さ、ご飯にしようか」
 ご飯作るくらいも、いくらでもするし。
 みんなの元気な姿を待ってる人はたくさんいて。
 私も、その一人だから。
 少しでも力になれるなら、私、幸せだよ。



あとがき
はい、なんか途中で行き詰まって強制終了☆
ごめんなさい。
久々にカミセン書いて楽しかったです。