片思い



「さよなら」
あなたはその言葉を残して去っていった。

あたしはもともと健くんのファンだった。
V6のメンバーとは違う世界に住んでいるんだって、分かってた。
けれど、出会ってしまった。
止まらなかった。
好きになってしまった。
アイドルとしてでなく、男として。
ずっとファンだった健くんじゃなくて、剛を…。

思い出。
言葉にしてしまえば綺麗。
あたしは剛をまだこんなに好きなのに。
でも、それは、終わってしまった悲恋小説。

始まりは、雨。
どしゃぶりの、雨。
雨宿りしてた剛に貸した傘。
二人の始まり。
「ありがとう」
そう言って笑ったあなたは普通の男の子だった。
友達になって、何度か一緒に食事に行ったりしたよね。
それから、あたしが告白した。
剛は何も言わずに抱きしめてくれたよね。
けど、返事はしなかった。
あなたは何も言わなかった。
あたしはそれを「Yes」と受け取ってしまった。
それが間違えだったんだね。

いつも一緒にいたいけど「恋人」じゃなかった。
分かってた。
それでも良かった。
大好きなあなたと一緒にいられるなら。
「抱いて」
そう言ったのは、あたし。
剛はまるであたしだけが「女」であるかのように抱いてくれた。
あたしを夢中にさせた。
けれど、それは、あたしだけに与えられるものじゃなかった。
知ってた。
気付いてた。
だから、その瞬間にすがることしか出来なかった。

愛してる。
愛してる。
あなたを愛してる。

届かない思いは、何処に消えるんだろう。
あなたには届かない。
あたしの名前を呼んでくれたりしない。

「さよなら」
それが、あなたの最後の言葉。




あとがき
なぜか剛くんが悪い人みたいです…。(汗)
許しておくれ~!!