In his room
剛の休日。
休日といっても、実際は夕方まで仕事があった。
夜に仕事がなかったというだけ。
けれど、ここの所忙しい剛にとっては、それだけでも貴重な休日。
数少ない休日。
ソレを満喫しようと、剛は部屋に閉じこもる。
誰にも邪魔されない剛だけの空間。
のんびりと、ダラダラと。
リラックスする時間。
ゴロゴロしながら、手が携帯にのびる。
珍しく剛から電話をかける。
「もしもし?」
『剛?』
「ああ」
『どうしたの?』
「今、自分の部屋にいるんだけど」
『え?』
「くる?」
『あ…うん』
「そ」
『…お休みなの?』
「ああ。じゃぁな」
剛の部屋。
そこに、がやってくる。
剛がリラックスするための空間への侵入者。
「剛、元気?」
「ああ」
剛は床に転がったまま答える。
「お仕事、休みなんだね」
「まぁな」
会話が続かない。
そのまま時が過ぎる。
剛はの方を見ようともしない。
「ねぇ」
「あ?」
「何で、私のこと無視するの?」
が剛に向かって言う。
「自分が呼び出したくせに」
剛は答えない。
「ねぇってば」
剛はようやくを見た。
しかし、すぐに視線を逸らす。
「お前はいればいいんだよ」
一言だけに言う。
は剛の言いたいことが分からなくて、考え込んでしまう。
剛はお構いなしにゴロゴロしている。
「ワケ分かんない」
は呟いて部屋を出ようとする。
「何処行くんだよ」
今までの行動に無関心のように見えた剛が声をかける。
「帰る」
は短く答える。
「は?何で?」
「いいから、ここにいろよ」
命令口調の剛。
「剛っていっつもそう。ああしろ、こうしろって言うだけでちっとも理由教えてくれない」
が涙をこぼす。
剛はそれを見て、ようやく口を開く。
「俺は疲れてんだよ」
ぶっきらぼうに言う。
未だ真意が伝わらない。
が剛を見ると、剛は視線を逸らす。
「リラックス、したいんだよ」
「…ソレが、何?」
「せっかくの休みだから、俺が一番リラックスできる空間を作りたかったんだよ」
剛の顔は心なし赤い。
「分かんないんだけど」
が聞き返す。
「ここにいてくれ」
剛はそれだけ言って、またダラダラしはじめた。
剛がに言いたかったこと。
「側にいて欲しい」
剛にとって、は最大の癒しだから。
「隣にいて欲しい」
剛はのことのことを愛しているから。
とずっと一緒にいたいと思っているから。
剛の部屋の中。
小さな空間。
限られた空間。
剛にとって癒される場所。
そこにいなくてはならないのは、だった。
あとがき
また謎なの書いてしまった…。
ま、まったりのんびりしたいとき、そっとして置いて欲しいな、と。でも一人は嫌みたいな。