嫌い


『三宅くんは?』
『嫌いです』
 上田さんの質問に、剛くんが即答する。
「……絶対嘘だ」
 テレビの中の剛くんに向かって、思わず反論してしまった。


「おかえり、剛くん」
「おう」
 ドアを開けて、いつもの様に剛くんを迎える。
「何か飲む?」
「コーラ」
 そう答えると、剛くんはソファーに座ってため息をついた。
 冷蔵庫から出したコーラを渡す。
「ありがと」
 小さくつぶやいて、剛くんが受け取った。
「どうしたの?」
 なんとなく予想がつくものの、尋ねてみる。
「なにが?」
「ためいき、ついてたでしょ?」
「……」
 少しの間黙っていたけれど、コーラを一口飲んで、剛くんが口を開いた。
「健のやつがさ、ムカつくんだよ」
 あぁ。
 やっぱり。
「で? 今日は何があったの?」
 不機嫌でもなんでもなくて、溜息をつくとき。
 大抵の原因は三宅くんだ。
「あいつ、襟足刈り上げたんだよ」
 は?
 なにそれ?
「なんか知らねーけど、あいつの襟足がめちゃくちゃムカつくんだよ」
 髪型が変わっただけ?
「気になるんだ?」
 それが、そんなに。
「ほんと、アイツは俺をムカつかせる天才だよな」
 要するに、髪型一つ変わるだけで気になって仕方がないんですよね?
 三宅くんのことが大好きなんですよね?
 剛くんは、嫌いとか口ばっかりで。
 本当は、三宅くんのことが好きすぎると思う。
 悔しいから、剛くんにぎゅっと抱きついてみる。
「何? どした?」
 剛くんが、頭をポンポンと軽く叩いてくれた。
「んーん、何でもない」
 剛くんの手が優しいし。
 まさか、男の三宅くんに嫉妬してるなんで言えないし。
 言いたくないし。
 明らかに大好きなくせに、本人は「嫌い」とか言ってるし。
 ねぇ、剛くん。
 知ってた?
 私も髪切ったんだよ?
 三宅くんのはすぐに気づくのに。
 私は気づいてもらえないの?
「なぁ」
 剛くんが、私を覗き込んだ。
「何?」
 悔しさで、視線をそらしてしまう。
「今日、なんか可愛いな」
 言葉が終わるか終わらないかの瞬間、キスが降ってきた。
「剛くん?」
 突然のことに、動揺してしまう。
「うん。可愛い」
 剛くんは、にやりと笑って。
 もう一度、キスをくれた。
 気づいたのかな?
 それとも、ただの気まぐれ?
 わからないけれど。
 剛くんの優しいキスだけで、充分な気がしてきた。
「大好きだよ、剛くん」
 抱きついている腕に、力を込める。
「知ってる」
 耳元で囁かれた言葉は、甘く甘く響いた。


 2016.06.12
 にこ健を読む。
 衝撃。
 あれだけムカつくって言ってたのに。
 嫌いって即答するくせに。
 三宅くんの襟足が愛しいって。
 キスって。
 なんなの、それ。
 三宅くんのこと、好きすぎるにも程があるでしょ!!
 剛くんの中で、三宅くんって一体何?
 彼女の私って何?
 いや、それは彼女か……。

 ……三宅くんには、一生勝てる気がしません。



衝撃のにこ健でしたよね。(笑)
森田さん、可愛すぎる!!。
そして、それをわざわざ報告してくれる健くんも可愛い。
V6っていいですね←