強がり



 見たことのないマグカップが戸棚に並んでいた。
「新しい彼女が出来たんだね」
 私は准一にとって、きっと、友達。
 私の気持ちなんて知らない。
「今度はどんなコ?」
 准一の背中にたずねる。
「…ええやん、別に」
 冴えない答え。
 いつもそう。
 彼女のことは私に話してくれない。
 会ったこともない。
 理由はしらない。
 でも、多分、彼女に誤解されたくないから。
 こうして准一の家で、一緒に過ごすことがあっても、それは友達として。
 准一に彼女がいるときは、二人で会う回数が減る。
 それは、当然のこと。
 でも、寂しい。
 私はワガママ。
 今まで准一がつき合ったどの彼女よりも准一を知っていて、今まで准一がつき合ったどの彼女よりも長い間一緒にいるのに。

 きっと私は、死ぬまで准一の側にいて、准一の幸せを願ってる。
 けれど、私の気持ちを准一に告げることは一生ない。
 それでいい。

 これが私にとって精一杯の強がり。



あとがき
なんだか、ずいぶん卑怯な女性ですねぇ…。(遠い目)
まぁ、こういう人も実際いるんでしょうか?
わかんないケド。