会いたくて
「准っ!」
の声がした。
振り向く。
「よぉ」
俺はに向かって片手をあげる。
「なんでこんな所にいるの??」
不思議そうな顔をする。
こんな所、イコール、の会社の前の公園。
「近くでロケやっててさ。終わったから来てみた」
に会いたかったから。
「来てみたって…」
戸惑う。
そんなところも可愛いと思える。
「迷惑、だった?」
嬉しそうな顔をして駆け寄って来た。
迷惑なはずがない。
だけど、の困った顔が見たくて言ってみる。
「迷惑なはず、ないじゃない」
期待通りの答え。
少しうつむいて言ったを抱き寄せる。
「准!?」
驚く。
だけど、俺は離さない。
「ちょっと!?何考えてるの!?」
「ん?なーんにも」
ただ、が愛おしいだけ。
「ここ、会社の前なんだよ?」
「何?は、会社の人に彼氏がいると思われたくないわけ?」
「そういう意味じゃないってば!」
を、さっきよりも強く抱きしめる。
「じゃぁ、何で?」
「は、恥ずかしいじゃない…」
顔を真っ赤にする。
その表情の可愛さに、俺は腕をゆるめる。
「俺は、恥ずかしくないんだけどな」
を見つめる。
「…バカ」
少し拗ねた表情。
あんまり可愛いから、また抱きつきそうになる。
だけど、我慢した。
「准だって、バレたらどするの?」
「どうするって?」
「大変じゃない」
が周りを見回す。
そんなに人気はないし、誰も俺に気づいてない。
「そうか。が仕事に行けなくなったら困るな」
俺は首をひねって答える。
「もう、そうじゃなくてっ」
「何?」
が何を言いたいのか分かってる。
だけど。
「准くんが、大変なんでしょ!?」
「何で?」
俺が何かしたら、他の5人にだって、迷惑がかかることも。
「お仕事、出来なくなるかもしれないじゃない」
「かもな」
そんなことよりも。
「だったら!」
「でも、俺、の方が大切だから」
「そういう問題じゃないでしょ!?」
「分かってるけど」
「ならっ」
「最近、に会えなかったからさ。どうしても、会いたかったんだよ」
微笑む。
も、微笑み返してくれる。
心が、温かくなる。
「そうだね。私も、会いたかった」
今度は、から抱きついてきてくれた。
メチャクチャ嬉しい。
「ごめんな。突然呼び出したりして」
の髪に口づけする。
「本当だよ。丁度会社終わる時間だったからよかったけど」
「ん。ごめん」
だって、どうしても会いたかったんだ。
「あ!」
突然、が俺から離れる。
「今、何時!?」
が慌てて腕時計を見る。
6時13分だ。
「あ、もう帰らなきゃ!」
「え?」
帰る?
「実は、30分から会議があるの」
すまなさそうにが言う。
「会議?」
「うん。新しい企画の会議。ごめんね。ちょっとしか会えなくて」
「そうなんだ…」
せっかっく会えたのに。
もう、お別れなんだ…?
「准は?今から何があるの?」
「…俺?俺は特に何もないよ」
せっかく、と一緒に過ごせると思ったのに。
「え?」
がきょとんとしてる。
「今日のロケ、夜までの予定だったんだけど、この通り夕方で終わったからさ」
小さく笑う。
もう、笑うしかない。
がうつむいて黙り込んでしまった。
「ホラ、仕事に戻らなきゃだろ?」
明るく言う。
「准…」
「会議、遅れたらヤバイんじゃないの?」
の背中を押す。
「あ、うん」
が俺を振り返りながら、歩き始める。
「頑張れよ!」
笑顔で手を振る。
「うんっ!」
本当は、今すぐ追いかけたい。
このままどこかに連れ去りたい。
と一緒にいたい。
ずっと、離れたくない。
の姿が遠くなる。
見えなくなる。
一人になる。
と一緒に晩飯、食べたかったのに。
一人で食べるの、嫌だな。
どうしよう。
誰かと食べようか。
…誰と?
イノッチはうるさすぎるし。
剛くんは実家に帰ってるだろうから遠いし。
と、なると。
坂本くんか、博か、健くんか…。
取り敢えず、メールでも送ってみるかな。
返信があった人と行けばいいや。
あとがき
んー、実は最後のところが思いつかなくて、思いつかなくて。
最終的に誰とも決めないまま放置。(え
気にしな~い、気にしない☆(気にしろよ