シット。



「むー」
 家に帰ったら、彼女がむくれていた。
「どうしたの?」
 なんて、俺がたずねる。
「別に」
 なんて、そっぽを向いてしまう。
 原因がさっぱり分からない。
 だって、今朝はすっごく機嫌良かったんだもん。
 電話で嬉しそうな声を聞いたんだもん。
「今日は泊まりにいっていいんだよね?」
 って、言って。
「そうだよ」
 って答えたら。
 本当に喜んでくれた。
「やったーっ」
 って、の声が音割れして聞こえてきた。
 なのに。
 なんでこんな態度なの?
 俺がいつも側にいられないのはすごく悪いと思っているけど。
 きっと、そんなことじゃない。
 そういう不機嫌さじゃない。
 何に、怒ってるんだろう?
?ねぇ、ってば」
 声をかけても返事をしてくれない。
 俺、怒らせるようなことしたっけ?
 わかんないよ。
!」
 分かんないから、抱きしめた。
 逃げられないように。
 原因が分からないと、俺も悪いところを直せないし。
「ね、何で怒ってるの?」
「別に」
 さっきと同じ答え。
「俺、何か悪いコトした?」
「そんなことないんじゃない?」
 アイマイな答え。
 でも、僕に対して何か怒ってるのは確実。
、教えて」
 無視された。
。どこが悪いか言って」
 なかなか返事がこない。
「…別に」
 遅れて答える。
「別に健君が悪いわけじゃないの」
 …は?
「じゃぁ、どうして怒ってるの?」
 納得できないよ。
「気にしないで。私の勝手なんだもん」
「勝手?」
「そう。ワガママ。別に健くんが悪いわけじゃないんだもん」
 はすごくバツが悪そうにしてる。
「言って。教えてよ、
 優しく言った。
「嫌わない?」
「なんで?」
「本当のこと言ったら、嫌いにならない?」
 言いながら見上げてくるはとても可愛かった。
「嫌いになるわけないだろ」
 こんなにが好きなのに。
「本当?」
「本当」
 一呼吸置いてから、なおは 口を開いた。
「じゃ、言うね」
「うん」
 少し、緊張する。
「実は、児湯、ワイドショー見たの」
「へぇ」
 だから、何なのだろう。
「健くんが映ってたの」
「あ、『卒業』の?」
「そう」
 で?
 それが、どうしたのかな??
「そしたら、健くん、秋吉さんの胸触ってたし、ほとんど裸みたいな格好だったり、星野さんとキスしてたりして」
「そっか」
 要するに、シットしたんだ?
「ゴメン」
「何で謝るの?」
「だって」
「俺、嬉しいよ?」
「え?」
「だって、それが仕事だって分かっててもシットしてくれてるんでしょ?そんだけに愛されてるってことじゃん?」
「健くん…」
 が泣きそうな顔をしてる。
 可愛いなぁ、もう。
「大好きだよ、
「…うん」
「愛してる」
 抱きしめる。
 よかった。
 が、俺のことを好きでいてくれてる。
 愛してる。
 愛してるよ、
 これからも、ずっと一緒にいようね。



あとがき
ええと、書いたのはまだ「卒業」を健くんがしてた頃。
…いつだよ。古いな。俺が千秋楽行ったのがGWだもんなー。
すみませんでしたー!!!!