未完成方程式10



 僕は、一目惚れなんかせぇへん。
 その人のとこを段々好きになっていく。
 せやから、はじめのうちは自分でもその人のこと好きになっとるなんて気づかへん。
 それは、ええことなんか。
 それとも、悪いことなんか。
 いくら考えても答えはでぇへんけど。
 今更気づいたんや。
 僕がちゃんのことを好きになっとったって。
 遅すぎるけど、これでええのかもしれん。
 光一の為や思うてちゃんの相談役を続けとった。
 長ちゃんのことも光一のことも知っとるから、僕は、ちゃんにとって唯一の相談相手になっとった。
 なんやかんやで、僕らは会うことも多かったし、メールや電話の回数も多かった。
 僕は、単純にちゃんのことをすごくええ子やと思っとるつもりやった。
 せやけど、その気持ちがいつのまにか恋心に変わってしもうとったみたいや。
 光一とちゃんの幸せを一番に考えとるはずやった。
 応援しとるはずやった。
 あの日。
 光一に告白すると決めたちゃんを見送った日。
 笑顔で送り出すつもりやった。
 なのに、何故か笑えなかった。
 そして。
 二人が付き合うことになったと知った日。
 気づいてもうた。
 自分の気持ちに。
 もし。
 僕がもっと早く気づいとったら。
 ちゃんが光一に告白する前に気づいとったら。
 違ったんやろうか。
 僕がちゃんと出会ったのは。
 光一の為やった。
 はじめから、僕は、光一とちゃんが恋人同士になってほしくて。
 やったら。
 この結末が正しいんやないかって。
 僕のこの気持ちは、気づかんかったことにして。
 僕の心の中だけに留めて。



あとがき
はい、あと1話です!
ようやく終われます!
長くなっちゃってゴメンでした!
しかも結局剛くんの話くさい!
いや、光ちゃんの話の筈……。