側にいたいから4



<side  >

 健くんの部屋。
 見慣れた部屋。
 健くんに抱かれる場所。
 愛なんてない。
 私は人形みたいに抱かれるだけ。
 健くんが私を愛してくれてるのは分かってる。
 だけど、私は長野くんが好き。
「ねぇ、
 健くんがベッドの中で私の名前を呼ぶ。
「何?」
「愛してるv」
「そう」
 知ってる。
 でも、応えられないの。
 私が好きなのは長野くんだけ。
「俺の名前呼んで?」
「…健」
「ありがとぉ」
 嬉しそうに、でも、悲しそうに健が言う。
 もう、戻れないね。
 本当に恋人だった頃には。

 いつからだろう。
 健くんが恋人じゃなくなったのは。
 もしかしたら、初めから違ったのかもしれない。
 健くんに告白されて、舞い上がって、「芸能人とつき合ってる」っていうドキドキを恋だと思いこんでいただけなのかもしれない。
 私って、最低。
 ずるずると健くんとの関係を続けて。
 健くんが、私のこと愛してくれるって知ってるから。
 ズルイ女。
 酷い女。
 でも、健くんと別れたら、きっともう長野くんに会えなくなる。
 彼に会いたい。
 それだけ。
 それだけで、健くんを傷つけ続けながら、その横にいる私。
 ごめんね。
 ごめんね。
 健くんを傷つけても、誰を裏切ってでも、長野くんの側にいたいの。
 ごめんね。



あとがき
再び独白。次回は健くんの独白。その次くらいで終わらせたい。(切実)
書き逃げ~っ!!