側にいたいから6



<to the Future>

  の左手の薬指に光るリング。
、結婚しよ?」
 真剣な眼差しの健。
「…うん」
 小さく応える
 報われることのないと思われていた健の愛に が応えたように見えた。
「いいの?」
 健の顔が少し曇る。
  が博を好きだと知っているから。
「いいの」
  は答える。
「なんで? の好きな人は長野くんでしょ?」
 初めて。
 二人がつき合って2年間、どちらも一度も口にしなかったタブーに健が触れた。
「うん」
  は素直に頷く。
「長野くんのこと好きなのに、俺のプロポーズ受けちゃうの?」
 健の心には、悲しみ、喜び、怒り、虚しさ、寂しさといった感情が入り交じっていた。
「長野くんは、恋人じゃないから」
 うつむいて言う。
「確かに俺たちは、周りからは恋人だと思われてるけど…、何か、違うよね」
「ごめん」
 一体何に対して謝っているのか、健には、 にも分からなかった。
「俺のこと、好き?」
「…うん」
「長野くんのこと、好き?」
「うん」
「俺と長野くん、どっちが好き?」
「…」
  は答えない。
 いや、答えられずにいる。
「ねぇ、 。俺、このまま本当に と結婚したとしても、納得できないんだ」
 健は何かを決意した。
「長野くんに会おう? の気持ち、伝えよう?」
「え?」
  が驚く。
「俺、今まで、 と離れたくなくて、離したくなくて、気づかないフリして、誰にも気づかせないで、 を束縛して、俺だけのものにしようとしてた」
 健が悲しそうに微笑みながら言う。
「でも、間違ってるよな。きっと」
  はうつむく。
 何も言えなかった。
「俺、 が辛そうにしてるの、見てられない。 には本当に笑っていて欲しいんだ」
「健くん…」
  の目から涙が溢れる。
「ごめんね、ごめんね」
 涙混じりに言う。
「何に謝ってるの?」
 健が の頬に手を寄せる。
「だって、私、今まで、健くんのこと、散々、利用、してた」
 途切れ途切れ が答える。
「そんなの、お互い様でしょ?」
 健は指で の涙を拭う。
「泣くなよ」
 そう言って、健は寂しく笑う。
「長野くん、呼ぶね?」
「…うん」
  が頷く。
 健は携帯のメモリーから博の番号を検索し、通話ボタンを押した。



あとがき
急展開。っつーか、時間飛びすぎ!しかし、終わらない…。
私はハッピーエンドを希望。って、書くの私なんだけどさ。どうなるか自分で分からないんだな。これが。
ダメダメじゃん。