似すぎた二人1



 寂しいよ。
 一人は寂しいよ。
 博に会いたいよ。
 だけど、別れたから。
 もう、2人は別れたから。
 博に会うことは出来ないから。
 別れようって言ったのは私。
 離れていったのは私。
 酷い女。
 最低な女。
 博は優しかったのに。
 いつも優しかったのに。
 あんなに優しかったのに。

、最近調子悪そうだよね」
 会社の同僚に言われてしまった。
 一人でいるとき以外は極力普通を装っていたのに。
 いつも通りの自分を演じているつもりだったのに。
「そんなことないよ?」
 笑って答える。
 偽物の笑顔。
「そっか。 がそう言うならそうなんだろうね。ちゃんと笑えてるし」
 偽物の笑顔はあの人の得意なことだった。
 いつのまにか、私もそれを得意としていて。
 誰も、本当の私に気づかない。
 あの人も気づいてくれなかった。
「でも、何かあったら言ってね?私は の味方だからね?」
 何も知らないのに。
 私のこと何も知らないのに、どうしてそんなこと言えるの?
 何も気づいてくれないのに。
「うん。ありがとう」
 あの人が仕事の時にするようなとびきりの笑顔を彼女に向ける。
 みんな、この表情にだまされる。
 こんなの、偽物なのに。
 あの人の笑顔も。
 私の笑顔も。
 みんな、偽物なのに。
 どうして、誰も気づいてくれないの?
 私の笑顔が偽物なんだって。
 どうして誰も気づいてくれないの?
 あの人さえ、気づいてくれなかった。

 博に別れを告げて、彼の家を飛び出した。
 最後に見た博は、悲しそうな目をしていた。
 最後に見た博は、寂しそうな目をしていた。
 だけど、いつものように笑っていた。
 出ていく私を止めようとしなかった。
 追いかけようとしなかった。
 そうなることを私は分かっていた。
 どんなに私が酷いことを言っても博が笑っていることも。
 決して止めたりしないことも。
 追いかけてきたりしないことも。



あとがき
まだ書き終わってないので、ラストがどうなるのか私も分かりません。まぁ、大体の流れは出来てるケド。
次回兄さんが一人出てきます。博ではありません。っていうか、ラストまで博出てこないかも。(爆)
話は終始女の子視点の予定です。