似すぎた二人6
目が覚めると、私は坂本くんの腕の中にいた。
暖かくて、懐かしくて、落ち着く場所。
昔はよく、こうやって2人で寝ていたっけ?
坂本くんの寝顔が目の前にあって。
なんだか可愛く思えて笑ってしまう。
けれど、博の寝顔を思い出してしまって、沈む。
かすかに電子音が聞こえる。
坂本くんの携帯が鳴っていた。
液晶には「事務所」と表示されていて。
…これって、出た方がいいんじゃない?
「坂本くん!坂本くん!起きて!!」
体を揺さぶってみる。
「んー?」
くぐもった声を眉を寄せながら発する。
「事務所から電話!」
「じむしょぉー?」
…ダメだ。
坂本くん、脳が寝たままだ。
「起きてよっ!!!」
坂本くんは起きてくれない。
そのうち携帯が静かになる。
あーあ、止まっちゃった。
知らないよ?もう。
時計を見ると、もう正午になろうとしていた。
こんなに長く眠ったのは凄く久しぶり。
坂本くんのおかげだなぁ。
よーし、お礼もかねてご飯作ろう。
…でも、コレって朝ご飯?昼ご飯?
ちょうどご飯を作り終わった頃、坂本くんがキッチンにやってきた。
「なんか、イイニオイがする」
寝ぼけた声で坂本くんが言う。
「うん。ご飯作ったの。食べよ?」
「おぉ、さんきゅ」
坂本くんは無表情のまま答える。
起きたばかりの坂本くんはいつもこんな感じ。
顔の筋肉が眠ったままなのか無表情で、そのうちだんだんと表情が増えていく。
「「いただきます」」
ご飯を食べているうちに、坂本くんの表情が増えていく。
脳が目覚めはじめたことがよく分かる。(笑)
「ねぇ、坂本くん」
「ん?何?」
「携帯見た?」
「見てないけど…何?」
「事務所から電話あったよ?」
「うそ!?」
「1時間くらい前に。坂本くん起きてくれないから、切れちゃったけど。留守電になにか入ってるんじゃない?」
「マジかよ!?」
「マジ。うそ言ってどうするの?」
坂本君は箸を置いて携帯を取りに寝室へ行く。
私はテレビを見ながら一人でご飯を食べていた。
「やべぇ!!やべぇよ!!」
スゴイ勢いで坂本君が戻ってきた。
「どうしたの?」
「昨日の俺ら、写真撮られてたらしくて」
え!?
もしかして…
「スキャンダルってこと?」
「そうなんだけど、そうじゃなくて…。ソレは、事務所が握りつぶしてくれたからいいんだけど…」
「じゃぁ、何?」
何をそんなに慌てているの?
「その写真さ、長野が見ちまったんだよ」
は?
博が?
どういうこと?
「アイツも今日オフでさ、暇だからって事務所に顔を出してたらしいんだよ。写真持って、今、こっちに向かってるらしい」
「博が、来るの?」
「ああ」
「ここに?」
「だろうな」
…どうすればいいの?
あとがき
やっと6話ですね。次回やっと主役(?)登場です。長かった。
まだまだ先は長いです。完結まで末永くおつき合いお願いいたします。(汗)