Choice1



 誰かを選ぶなんて、できない。

 私には、6人のお兄ちゃんがいる。
 正確には年上の男友達6人組。
 私が勝手にお兄ちゃんみたいに思ってるだけ。
 思っていたいだけ。
 愛とか、恋とか。
 私にはそういうものがまだ分からないから。
 友達のままでいいんだ。
 友達のままでいてほしい。

 久しぶりに7人揃って食事。
 場所は博の行きつけの店の一つ。
 今日は中華。
 私が食べたいって言ったから。
 私のわがまま。
 7人で食べたいって言ったのも私。
 誘ってくれたのはイノッチだけど。
 二人きりになりたくなかった。
 別に、いのっちが嫌なわけじゃない。
 誰かと二人きりになるのが恐かっただけ。
 今の関係が崩れそうで。
 バラバラになってしまいそうで。
 私だって鈍感じゃない。
 6人がどう思ってるか、薄々気が付いてる。
 だけど、気付かないフリ。
 気付きたくない。
 壊したくない。
 どんなに贅沢なわがままか、分かってるつもり。
 一番苦しんでいるのが彼らだってことも。
 それでも私は、6人とも友達としてしか見れないから。

「迎えにきたよ」
 そう言って微笑んでくれる准くん。
 彼の後ろには1台のワゴン車。
 運転席にはまーくんが見える。
 後ろの席に4人の影。
「楽しみにしてたんだよ!全員揃うのなんて久しぶりだから♪」
 これは本心。
 嘘じゃない。
「早くこっちおいでよっ」
 車の中から健ちゃんが叫ぶ。
 私は准くんの手を引いて車へ向う。
「おまたせ☆」
 にっこり笑って助手席に乗る。
「は!?お前なんで助手席なわけ?」
 剛くんが言う。
「いちばん景色がいいから♪」
 半分本当。
 半分嘘。
 少し距離をおきたかった。
「発車するよ?いい?」
 博が騒ぐ私たちに言う。
「出発進行~☆」
 私はフロントガラスの向こう側の景色に拳を突き出した。



あとがき
さて、久々の長編です♪今回は全員出てきます。
微妙に暗い予定です。(汗)最後までおつき合いいただけると光栄です。