sweet baby7



「健くん?」
 准一が声をかけた。
「え?何?」
「おい!健!仕事中にボーッとしてんじゃねぇよ!」
 剛が注意する。
「あ…ごめん」
 番組の打ち合わせ中だというのに、健はがいなくなった理由ばかり考えていた。
 会議室。
 番組の打ち合わせが終わっても、6人だけは部屋に残った。
 誰も声を出さない。
 ただ、健が話し出すのを待っていた。
「いい加減にしろよ」
 我慢しきれなくなって口を開いたのは剛。
「ごめん…」
 健はうつむいたまま言った。
「仕事に集中できなくて、ごめん」
「原因は何なの?」
 快彦がたずねる。
「…が」
ちゃん?」
が、いなくなったんだ」
「「「はぁ!?」」」
 快彦、剛、准一は思わず叫んだ。
「坂本くんと長野くんにはもう話してあるんだけど…」
 3人は昌行と博を一瞥する。
 しかし、すぐに健に視線を戻し話の続きを目で求めた。
「携帯も、アパートも解約されてた」
「…マジ?」 
 快彦が驚いて声を漏らす。
「健くん、何かしたん?」
「…分かんない。何でいなくなったのか、僕には分かんないんだ」
「書き置きとかは?」
「何も…。何もなかったよ。最後に会ったときも、別に変わった様子なんてなかったと思うんだけど…」
 健は博を見た。
 博は健の方に視線を向けようとしない。
「多分、気づけなかったんだと思う」
「それでも、彼女は黙って消えたんだよ」
 博は感情のこもっていない声で言った。
「長野、お前は何を知ってるんだ?」
 昌行が博を睨む。
「前に俺が何か知ってるかって聞いた時、否定しなかったよな?」
「博…?」
 准一が眉を寄せる。
「長野くん…?ねぇ、何で何も言わないの?何か知ってるの?」
 健は震える声で訊ねる。
 博は立ち上がって健を見た。
「俺は、何も言わないよ?たとえ、何かを知っていたとしてもね。ちゃんはちゃんの意志で健の前から消えたんだ。俺は何も言わない」
 無表情で言い放つと、博は会議室を出ていった。



あとがき
にゃぁ!?博ってば、健ちゃんに冷たいって!!(汗)
次回は優しい博です。落差激しい~。(爆)