微熱01



 冷めた感情が、仄かに蘇る。

!ねぇ!が泣き止まないよ!」
「はいはい」
 洗濯物を畳む作業をしていたは、その手を止めて寝室へ向う。
 そこには、泣きじゃくる赤ちゃんとその父親である健。
「どうしたの?」
「あのね、が泣くから、おむつ変えたんだけど、泣き止まないの」
 は汚れたおむつが外してあるところを見ると、泣き始めた原因はこれで間違いないと判断する。
 を抱えてみる。
 すると、泣き止んだ。
、僕が嫌だったのかなぁ?ママの方がよかったってコト?」
 の寝ていたベッドを見て、は微笑む。
「違うわよ」
 を健に抱かせる。
 は泣きださない。
「ホントだ」
 安堵したように健が言う。
「じゃあ、何で…?」
 はベッドにあった指輪を手に取る。
「これ」
「あ…」
 それは、健のいつも持っている結婚指輪。
が怪我しないようにって外したのに…。胸ポケットから落ちちゃってたんだぁ…」
「背中の下に指輪があって、痛くて泣いてたんだね」
「ごめん…」
 申し訳なさそうに健はを見た。
 は笑顔で健に手をのばす。
、怒ってないわよね?だって、パパが大好きだもんね」
 の言葉には嬉しそうな声をあげる。
 健の今にも泣きだしそうだった顔が輝く。
っ!大好きだよっ!!」
 健はを抱き締める。
 は嬉々としている。
「今度から、ポケットじゃなくて棚の上に置くとかにしてね」
「うんっ」
 元気よく健が返事する。
 に夢中でうわの空での言葉も右から左へ。
「もぅ、本当にわかってるのかなぁ?」
 小さく笑いながら、は畳みかけの洗濯物のもとへ帰っていった。



あとがき
久々の長篇です☆☆
暗くなる予定はないのですが、どうなることやら。
頑張るんで、見捨てないで下さい。