contact-03
「ごめんね、突然」
人気のない、廊下みたいなところで立ち止まって岡田君が言った。
「うん。びっくりした」
っていうか…。
「よく、わかったね」
確かに私、あまり変わってないとは言われるけれど。
それでも、もう10年は経っているのに。
「なんか、ホラ、さん目立ってたから」
「そうなの?」
目立ってた?
「変な意味ちゃうよ?コンサートの時に、さん、全然ファンって感じじゃなかったから」
確かに、周りの女の子たちみたいに盛り上がる事なんて出来なかった。
「ステージから客席って、よく見えるんだよね。気になってみてみたら、知ってる人のような気がしてさ」
「ごめんね。なんか、盛り上がったりとかしてなくて」
オカダくんに会いたくて、でも、ここにはいないって思って落胆してた。
「ええんよ。来てくれてるだけでも嬉しいし。やけど、他のメンバーも気にしててさ」
「えっ!?」
私、かなり恥ずかしい人!?
「ご、ゴメンね?」
楽しいはずのコンサートなのに、なんか、一人だけ暗くて…。
「何で謝るの?」
岡田くんが笑う。
「だって、なんか、皆さんに迷惑かけたかなって…」
目立つくらいに酷い顔してたのかな?
「違う違う。みんな、気になったんだよ。さん、可愛いし」
「は!?」
お、岡田くん!?
何言ってるの?
「ステージ裏でさ、さんのことが話題になって」
わ、話題?
「俺の知り合いかもって言ったら「呼んでこい」って」
は?
「だから、呼びに行ったんだけど…。ゴメンね?びっくりしたやろ?」
「うん」
それはもう。
だって、さっきまでステージで歌って踊ってた人が、私に声をかけてきて。
10年も前のことを覚えていて。
「このあと、時間ある?」
時間?
「せっかく会えたんだから、ご飯でも一緒にどうかな?懐かしい話とかしたいんやけど」
「それ、本気?」
オカダくんを忘れに来た私が、岡田くんと話すの?
ううん。
むしろ、ただ、中学が同じだったというだけで、名前くらいしか知らなかったような相手なのに、アイドルと話が出来るの?
「冗談で客席に呼びに行くなんて危険なことせぇへんよ」
確かに。
そうかもしれない。
「時間は、空いてるよ」
「よかった!」
そう言って笑顔を見せた岡田くんが、あの日のオカダくんにダブって見えてしまった。
あとがき
ふと気づいたんだけど、中学の同級生なら主人公は関西弁のはずですよね。
えーと、うーんと…。
ゴメンナサイ。もう、共通語で行きます!!
よし、じゃぁ、上京してきて言葉が矯正されたってことで!
それでいこう!(苦しい