02.昌行



 俺には、彼女になって欲しい女の子がいる。
 
 だけど、年も離れているし、きっとの中では『お兄ちゃん』以上になることは出来ない。
 だけど、『お兄ちゃん』だとしても、側にいられるだけで幸せだと思ってる。

「ねーねー、ちゃん」
 少し離れた所で、健がに話しかけている。
 本当は邪魔したいけど、『お兄ちゃん』を演じるなら我慢だよな。
「なぁに?」
 振り返った顔がまぁた可愛いんだよ。
 って、こういうオヤジくさいのが俺の駄目なとこなんだんだよ。
ちゃんってコンサートでいつも坂本くんのうちわ持ってるよね」
 え!?
 マジ!?
 俺、いっつもが誰のうちわ持ってるかなんて怖くて見れなかった。
 だって、ほら、健だってに好意抱いているみたいだし。
 『お兄ちゃん』になるって決めても、やっぱ傷つくじゃん?
「うん。だって、坂本くんのファンだし」
 なにぃぃ??
 ってことは、少しは俺に脈あったりすんの?
 ねぇ?
「そっかー、じゃぁさ、ボクたちの中で彼氏にしたいなーって思うのは誰?」
「えぇ?」
 ん?
 何だ、その質問。
 おかしくないか?
「だってほら、ファンってあこがれでしょ?彼氏にしたいってのは現実的な意味じゃん?」
 なんてこと言うんだよ。
 健ちゃん、おぢさん傷ついちゃうよ?
「そ、そうかなぁ……」
 今、ちらっとこっち見たよね?
 なんか声ちっさくなったよね?
「坂本くんが目の前にいたんじゃ言いづらい?」
 頷いたー?
 今、頷いたよね!?
 つまり、アレですか。
やっぱ俺は対象外ですか。
「大丈夫、聞こえてないって」
 聞いてますよー。
 思いっきり傷ついてますよー。
「で、でも……」
 はーい、もう遅いでーす。
「じゃぁ、ボクにだけ教えてよ」
 耳打ちいいなー。
 うらやましいなー。
 結局俺は『お兄ちゃん』でいるしかないわけだ。



あとがき
折り返し地点。
あと少しですー。