俺にも食わせろ!
『まーくん!!』
「もしもし?」
3月6日、「東京Vシュラン」放送終了後、携帯に着信があった。からだ。
そして、電話をとった途端、怒鳴られた。
『まーくん食べちゃダメじゃん!!』
やっぱり…。
「俺だって反省してるよぉ」
肩を落とす。
「最低!最低!何で食べちゃうの!?食べちゃダメじゃん!まーくん自分が何したかわかってんの!?もう嫌い!嫌い!大嫌い!まーくんなんか知らないっ!!」
プツ☆
一方的に切られた電話。
悪いのは俺。
他にない。
そう、俺がついに(?)「東京Vシュラン」の司会者でありながら食べてしまったのだ。お好み焼きを。
司会者は食べてはならない。
それがルール。
それくらい分かっているさ。
けれど、思ったよりつらい。
目の前で美味しそうに(実際に美味しいんだろうけど)見せびらかしながら、ゲストと他のメンバーが食べるのをずっと見てないといけない。
耐えれるもんじゃない。
蝶野さんの食べる「ど○味」のお好み焼きがあまりにも美味しそうだったんだ。
我慢の限界だった。
しかも、生地が大和芋だなんて、見たことも、聞いたことも、食べたこともないお好み焼きだったんだ。
だから、つい、食べてしまった。
その瞬間、長野、岡田、それからスタッフ全員が口を揃えて俺を非難した。
確かに司会者が食べちゃいけないさ。
いけないけど、それって残酷すぎるだろ?
俺にだって限界っつーのがあって…。
いや、こんなこと言ってるあたり、反省してねぇな。
でも、美味かったなぁ…。
って、これじゃ、何の進歩もしてねぇよ。
俺はプロなのに…。
はぁ。
そりゃも怒るよなぁ。
俺ってこんなにだらしなかったけ?
あの日、収録後に長野に言われた通りになったよ。
『OA見たらちゃん怒って電話してくるよ?』
怒って電話してきたよ…。
大嫌いって。知らないって。
、相当怒ってたなぁ。
今、電話しても許してくれないだろう。
俺、反省しきれてねぇから、多分、説得にも失敗する。
「もう、ダメかも…」
弱音を口にする。
そしたら、突然涙が出てきた。
ヤバイ。
俺、重傷?
「どうしよう…」
ずりずりと座り込んでしまう。
頭を抱える。
「…」
名前を呼んでみる。
余計虚しくなった。
こんなことで終わってしまうのか?
俺って、情けねぇ。
どうしようもねぇ。
バカだ。
座り込んだまま、泣いていた。
意識の奥で聞き慣れた音がした。
携帯の着メロ。
他の誰でもない、からの着信を知らせる音。
幻聴かと疑いながら、携帯を見る。
液晶に””の文字。
あわてて電話に出る。
「もしもし!?」
『…』
返事のない電話。
「ごめん!、ごめん!!」
泣きじゃくりながら言う俺。
これじゃぁ、まるで子どもだ。
『…まーくん?』
の優しい声が聞こえた。
「俺っ、俺…」
何か言わなければ、と思う。
その一方で、何故の声がこんなに優しいのだろうかと思う。
『泣いて…るの?』
の心配そうな声がする。
「…っ!」
言葉が出てこない。
涙だけが溢れてくる。
優しさが、しみこんでくる。
『ごめんね。あたし、言い過ぎたよ』
「そんなことっ!」
何か熱いものがこみ上げてくるのが分かる。
『あたし、まーくんに電話した後に考えたの。まーくんのこと、許せないと思った。メンバーにもスタッフにも責められて当然だと思った。きっと、裏切られた気がしたファンもいるだろうと思った。誰も許したりしないだろうと思った。これはお仕事だから、今回のことは、スタッフはもちろん、例えV6のメンバーでも許せないと思う。でも、まーくんは、いつも一人で悩んで、しょいこんでしまうから、もし、誰も許さなかったら、まーくん、つぶれちゃう。それなら、誰がまーくんを許すの?まーくんを許すことが出来るのは私だけだかもしれないと思ったの。ううん、そう思いたかったの。だから、私はまーくんを許す。嫌いなんて言って、ゴメン』
俺は泣き続けた。
けれど、その涙は、悲しみでも、苦しみでも、罪悪感でも、情けなさでもなかった。
の言葉がうれしかった。
「…っあ、ありが…とう…」
やっとのことで口から出た気持ち。
『まーくん、泣かないで』
優しい優しい。
「うん」
息を整えようと努力する。
『まーくんのこと、大好きだよ』
心が落ち着いていくのが分かる。
『いつも、まーくんの側にいるから』
本当に、隣にいてくれる気がした。
『心だけでも、側にいるから』
「ありがとぉ」
俺は、涙を腕でぬぐった。
「俺、頑張るよ。ちゃんと反省するよ。今回のこと、帳消しに出来るくらい、努力するよ」
俺は決意表明した。
『うん。その調子だよっ』
が微笑んでくれた気がする。
『でも、食べちゃったのも、番組的にはおいしかったと思うよ(笑)」
その台詞を聞いて、俺は久しぶりに笑った気がする。
あとがき
えー、「Vシュラン」放送終了後に書きました。
もう、びっくりでしたよ。一人で叫んでました。
「食べちゃった、食べちゃった、食べちゃった~!!」って。(笑)
いつか食べちゃうのでは…と思ってたら、やっぱり食べちゃいましたね。
我慢してる坂本くんは凄いなぁと思います。本当に。