「みんな今日はありがと―――!!!気を付けて帰ってね!」
舞台の上にいる健の声と観客の止まない大歓声の中、V6の夏のツアーは終わった。
酔いつぶれにご用心。
「お疲れ~。」
「お疲れ様~!」
コンサート終了後の舞台裏、V6のメンバーはお互いやスタッフにそんな言葉を掛
け、楽屋へ戻ろうとしていた。
―――
「坂本くんお疲れ~。」
名前を呼ばれて振り返ると剛がニコニコしながら立っていた。
「あ、剛。お疲れ。」
「はい、コレ!」
「?」
剛は笑ってそう言いながら俺にスポーツドリンクを手渡した。
「お、サンキューv」
「坂本くん、はい、タオルッ!」
剛に礼を言った直後、誰かが背後からタオルを掛けてきた。
岡田だった。
「へ、あぁ、ありがと…。」
「当たり前やんっ♪」
「…。」
岡田はいつに無く満面の笑みで(何ともまぁ罪なぐらい爽やかに)そう言った。
「さっかも~とくんっ!疲れたでしょ?」
次の瞬間そう言って飛びついてくるのは健。
「え、いや別に…。」
なんだ、どうしたんだこいつらは。
「またまたぁ、無理しちゃってvメンバーに遠慮は無しでしょ!」
「え、だから別に無理してないって…。」
いや、マジでこの3人がここまで気を使ってくるとは(?)絶対に何かある!
急に嫌な予感が俺の頭をよぎった。
怖い、こいつらの笑顔がなんか怖い。
「肩を揉んで差し上げますよvね、楽屋戻ろう、楽屋~!」
そう言って俺の腕を引っ張る健。
お前本っっっ当に24歳なのか?(汗)
―――
そう言って腕を引っ張られて楽屋のある方まで行くと、前方に長野と井ノ原の姿が見
えた。
後ろの声に気付いたのか、すぐに2人は振り返った。
「あ、坂本くんお疲れ~。」
「お疲れっ。」
「おぅ。」
俺を見るなりそう言ってくれる2人に返事をして、立ち止まった。
健も俺のその行動に仕方なく止まったが、急に掴んでいた腕の力を緩めた。
「…って坂本くんどうしたの?なんか絡まれてない?」
長野の発したその言葉をキッカケに健はするりと俺から腕を離した。
「?」
その行動の意味が解らず、不思議そーに健を見つめる俺の耳に、井ノ原の声が聞こえ
てきた。
「あ、解った!またアレだな?お前ら今度は坂本くんに奢ってもらおう、って魂胆だ
な?」
「バレバレだぞ~」と付け加えながらカミセンの方につっこんでいく井ノ原。
俺は俺でなんのコトだかさっぱり解らず、ただただカミセン(と井ノ原)を目で追う
ばかりだ。
「…あぁぁ、うっせぇよ井ノ原~なんでバラすんだよ!」
そう言って剛は井ノ原を叩いた。
「ホンマや、もう少しやったのに!」
「もう、こうなったら井ノ原くんにお詫びとして奢ってもらうしかないねっ!」
「はぁ?なんでまた俺なんだよ?」
「「「決定!!!」」」
声を揃えてそう言う3人。
なんか展開が早すぎて俺には何のコトだかさっぱり解らない。
すると、そんな俺に気付いたのが長野が
「今日でコンサート終わりでしょ?だから打ち上げを奢りでしよう、って魂胆だよ、
アイツら。」
俺にそう耳打ちした。
「…そう言うことか…。」
だからさっきから奢るだの奢らないだの…
あ、さっきのは俺に奢らすための機嫌取りだったのか!?
「…お前ら。」
先程のが全て「計算」であったことに怒りがふつふつと湧き上がってきた俺は
いかにも「怒ってます」と言うオーラを纏いながら3人(と絡まれる井ノ原)に近付
いていった。
その声のに必死で奢りを取り下げようとする井ノ原を無視して計画を立て始めていた
3人は振り返った。
そして、顔色が変わっていく。
「さ、坂本くん…。」
「うわ~…いや、ちゃうねん、これは剛くんがなっ。」
「はぁ?なんで俺のせいにすんだよ岡田ァ!」
「…(怒)。」
「「「う…。」」」
「…お前らなぁ…。」
少しずつ近付いていく俺から後ずさる3人。
「「「ご、ごめんなさい!!!」」」
同時にそう言ったかと思うと、3人は楽屋の方へ走って逃げていってしまった。
「あ?待てお前らっ!」
俺はすぐに追い掛けようとした…が。
「まぁまぁ。どうせ同じ楽屋なんだからすぐに捕まるよ♪」
表情と発言が一致しない長野にそう止められた。
ちょっと…怖い。
―――楽屋前。
俺から逃げ出したとはとても思えない楽しそうな笑い声が中から聞こえてきた。
…開き直ったか?
よし、じゃあ望み通りにしてやろう。
そう思ってドアを開けると…
「あ、お疲れ~v」
剛達ではない声が出迎えた。
その声に俺の後ろから長野と井ノ原が楽屋を覗き込む。
そこにいたのは…
「「「!?」」」
…だった。
ちなみに、はV6のメンバー6人共通の友人である。
―――
廊下で立っていたトニセン3人も楽屋の中に入り、話に加わった。
(この状況下でもう先程のことはどうでもいいらしい)
「ねぇねぇっ今年のコンサートどうだった?」
楽しそうに健がに尋ねた。
「え?うん、みんなかっこよかったよvでも最前列のど真ん中なんてどうやってチ
ケット取ったの?」
「「「「「「V6ですから!」」」」」」
「そう…。」
6人に声を揃えてそう言われ、は少し驚いた。
どうやら6人がその「一番いい席」に招待したらしい。
「そういえば、今日はどうしたの?」
思い出したようにそう尋ねる博には「あっ!」と呟いて持ってきたらしい袋をガ
サガサと漁り出した。
「そうそう、素敵な席に招待してくれた御礼って言っちゃなんだけど…。」
「「「「「「?」」」」」」
メンバーは全員不思議そうにを見つめる。
当のはそれに気付く様子も無く袋の中の物を机の上に出していく。
その机の上に並べられたものとは…
「…お酒?」
そう、机の上に並べられたもの=が持ってきたのは酒の類だったのだ。
「そう!今日でツアーも終わりでしょ?安上がりだけど打ち上げにでもどうかな?と
思って持ってきたのv」
「打ち上げ…。」
の口から出た言葉を健が繰り返した。
「そうか、ありがとう!!!」
…が、そんな健の言葉を掻き消すようにに近付いたのは他でもない昌行だった。
「ホント?どっかに飲みに行く予定とか無かったの?」
「うん、無いよ!全然、全く、これっぽっちもそんな予定は無かった!」
心配そうに聞き返すに瞬時に答えたのは快彦。
お解りだろう、カミセンにたかられていた2人だ。
…となると、こうなって立場が無いのはカミセンの3人である。
「…おっし。カミセン集合~。」
「「うぃ~っす。」」
剛の呼びかけに健、准一が剛の元へと集まり、即座に円陣を組む。
剛「…どうするよ?このままだとここで安上がりな打ち上げになるぞ?」
健「だよねぇ…でも折角が持って来てくれたのに言い出すの辛くない?」
准「高い酒も惹かれるけどなぁ…ここはやっぱりの方が高いってことで諦めへ
ん?」
健「岡田ぁ、いいこと言うじゃん!」
准「え…。」
剛「…よし、こうなったら今回の計画は次回のコンサートまで延期に決定!」
…会議終了。
「カミセンはどうすんの?打ち上げしないの?」
「「「やります!!!」」」
背後から博に問われた3人は声を揃えて即答した。
まさか3人が打ち上げについて話し合いをしていたとは思わないは
「じゃあ好きなの選んでね~v」
と、机を指差した。
「ありがとう。でもこんなにたくさんどうしたの?」
1つ手に取って博はに尋ねた。
「ん~?友達に酒屋さんでバイトしてる子がいてね。その子経由で安く譲ってもらっ
たんだ。」
「ふ~ん。」
「じゃあ、私はコレで…。」
「「「「「帰っちゃダメ!!!」」」」」
そう言って立ち上がったを先程まで話していた博以外のメンバーが引き止めた。
「え、でもみんな打ち上げ…。」
急な引き止めに戸惑ったはどもりながらそう尋ねた。
昌「いや、打ち上げはするけどだからってなんでが帰るんだよ?」
奈「え、だって持ってきただけだし…。」
快「帰んなくていいって!一緒に飲もうよ!」
奈「いや、だから私…。」
剛「いいじゃん、折角来てくれたんだし。一緒に打ち上げしようぜ!」
奈「いいの?」
健「いいに決まってんじゃん!」
准「って言うかがいてくれへんと何のために諦めたんかわからんし。」
「え?諦めたって何を?」
「「岡田!!!」」
思わず口を滑らせた准一を剛と健が小突く。
「え…?」
「アイツらのことは気にしなくてもいいよ。それで?は用事でもあるの?」
あまりに不自然なカミセンの様子に疑問を抱くに博が本題を切り出した。
「ううん、無いよ。」
「じゃあ決定。一緒に飲もうよ。ほら、俺らだけじゃつまんないじゃん。」
「ね?」と再度押す博の笑顔には頷いた。
「いいよ。じゃあ打ち上げに参加させてもらいます!」
「「「「やった!」」」」
准一は、よっぽど2人からの攻撃(?)が痛かったのか黙り込んでいる。
―――
「それじゃ、コンサートが無事に終わったことを祝して…。」
「「「「「「「カンパ―――――イ!!!!!!!」」」」」」」
「みんな、長い間お疲れ様でしたvすっごくよかったよ。」
「だろ?もうやり遂げた、って感じ!」
「当たり前だろ?今日で最後だもんな~。」
満足げに答える剛にしみじみと快彦が補足する。
「でもまた次のツアーも始まるからなぁ…。」
「岡田!それはそれ!今は夏コン終了の打ち上げでしょ?」
「そうやな…みんな今日までお疲れ~っ♪」
…そんな感じで飲み続けること1時間ほど…
「…っく。、結構持ってきたんだね~?」
「え?うん。打ち上げだし、と思って。」
「あ~飲み過ぎたかも…。」
「大丈夫?」
酔いが回ってきたらしい快彦は机に項垂れている。
「んだよぉ、お前らまだまだだなぁ?」
既に何本目か解らない酒を片手にそう言うのは昌行である。
「坂本くんと一緒にしないでよね…。」
「はぁ?こんな時ぐらい飲めっつの!そんなんじゃみのさんへの道は遠いぜぇ?」
「目指してんのかよ…。」
そのツッコミを最後に快彦は机に突っ伏した。
「あぁ~井ノ原くんダウン!」
面白そうに健はそう言って笑った。
「健くんも結構飲むねぇ…かわいい顔してんのに。」
「顔は関係無いよ~全然飲んで無いじゃん!」
「だってみんなに持ってきたし。それに私そんなに飲まないし。」
「嘘や~『みんなに』って割には多かったで?」
それだけ告げて快彦より先に酔い潰れていたらしい准一は目を閉じた。
「だってスタッフさんとかにも少し、と思って。」
「スタッフさんの分まで用意してくれたのかぁ?」
「うん。」
まだ飲み続ける周囲から見たら明らかに「酔っている」昌行はそう言った。
「悪いな、気ィ遣わせちゃって。でも俺らだけで飲めそうだなぁ?」
「別にいいけど…坂本くん飲み過ぎは良くないよ?」
心配そうにはそう言った。
「だぁいじょうぶだって!は優しいよな~よし、今度飲みに連れてってやる
よ!」
「え?」
「すっげぇ上手い酒出してくれるトコがあるんだv今度一緒に行こうぜぇ~。」
「ホント?行ってみたいv」
「よし、決定な。」
「えぇぇ、だけずるいよ!坂本くん、俺も!」
その会話に健が割り込んできた。
「やだよ、お前飲むもん。」
「いいじゃん!連れてってよ!」
「ダメ!」
「坂本くんのケチ!」
「なんとでも言え。」
「悔しい~~~っ!!!」
―――
「…。」
「…健もしつこいね~。」
健と昌行の言い合いを呆気にとられて見ているに博が話し掛けた。
「あ、うん…止めなくていいの?」
「ん?大丈夫、どっちかが酔い潰れたら自動的に終わるからv」
「え、酔い潰れるまで続くの?」
怪訝そうにそう言って返す。
「うん。でもまぁ時間の問題でしょ。それより、時間大丈夫?」
「あ、そろそろ帰らないと。」
「そう?じゃあ送ってくよ。お酒持って来てくれた御礼v」
そう言って車のキーを見せる博。
「あ、疲れてるのに悪いよ。」
「ううん、大丈夫だよ。」
「でもお酒…。」
「俺あんまり飲んでないから。」
「そう?じゃあお言葉に甘えちゃおうかな。でもみんなどうしよう?」
「放っといていいよ。じゃあ行こっか。」
「そう…?」
そう言って2人は楽屋を出て行った。
―――さらに1時間後。
「うぅ…頭痛い…。」
酔い潰れていた快彦が我に返った。(寝ていたらしい)
「あれ?は…?」
そう言って楽屋内を動く快彦の足音に他のメンバーも気付いて目を開けた。
「もぉ井ノ原くんなんやねん?」
「うぅ、頭痛ぇ…。」
「がいないんだよ!帰っちゃったのかなぁ…。」
そう言って肩を落とす快彦。
「ホントだ…悪いコトしたなぁ。」
「うん…って、長野くんもいない!」
健の言葉に項垂れていた快彦も顔を上げた。
「ホントだ!畜生、長野の奴~~~!」
「そういえばあんまり飲んで無かったね…。
「まさか、この展開狙ってた!?」
「うわ~博めっちゃ策士やぁ~。」
「「「「「やられた!」」」」」
同時刻、家まで送っていった博が「御礼にお茶でも」と宅に上がりこんでいたの
は言うまでもない。
奈緒のつぶやき
いかさんのサイトで6666を踏んだ記念に頂きました!!
私のために書いて頂ありがとうございます!!
しかも全員でてきうちゃうし!!!最高です!大感謝です!