留守番



 休日なのに がいない。
 何のためのオフなのか分からない。
 一人でいるなんて耐えられない。
 同窓会の幹事だからと言って は出ていった。
 嘘じゃないと思う。
 けど、同窓会ってのがクセモノ。
 男がいる。
 しかも、俺の知らない を知っている奴ら。
 そんな奴らと楽しくやってるかと思うと気が気じゃない。
 
  ~!!
 俺を一人にすんなよ。
 寂しくて死んじまいそうだよ。
 なんか、捨てられた子犬の気分。
 俺らしくもねぇ。
  ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~! ~!
 はぁ。
 すんげぇ空しい。
 一人でいたら腐りそう。
 どこかに出かけようかな。
 でもなぁ。
  が出ていってからダチに電話かけまくったけど、ヒマじゃねぇらしい。
 そりゃそうだよなぁ。
 やっぱ普通、日曜は彼女とデートだよな。
 いいよなぁ。
 俺だけヒマなのかよ?
 なんか空しさ通り越して腹が立ってきた。
 あ~ムカツク!!
 ちくしょう!!!
 どっか遊びに出てやる!!

 家を飛び出したのはいいけど、何しよう?
 つーか、どこ行こう?
 何も考えてなかったんだなぁ。
 あんまり目立つこともしたくないし。
 後が大変だかんなぁ。
 なんか、すっきりすることしてぇ。
 スポーツとか?
 サッカー!
 って、ドコでだよ。
 つーか、誰とだよ。
 俺、一人なんだよなぁ。
 一人で出来ること?
 視界にスイミングスクールが入ってきた。
 …健じゃないっつーの。
 ボーリングでも行くかな。
 あ、マイボール持ってねぇや。
 たまにはいっか。
 よし、ボーリングに行こ。
 そうしよう。

 超つまんね~。
 ボーリングってこんなつまんなかったっけ?
 他の奴らは楽しそうだな。
 カップルとか、家族連れとか。
 そっか、俺、一人だからか。
 一人でボーリングやってもつまんないってことか。
 ボーリングがつまんねぇってことは、何やってもつまんねぇってことじゃねぇ?
 …ダメジャン。
 あーもう。
 どーせつまんないなら、家でゴロゴロしてよ。
 テレビでも見て時間つぶすかぁ。

「ただいま」
  が家に帰ってくる。
「おせーよ!!」
 リビングから剛が叫ぶ。
「ごめんね~。今すぐ晩ご飯作るから」
 靴を脱ぎながら剛に向かって言う。
「楽しかった?同窓会」
「そりゃぁね。久しぶりにいろんな友達に会えたし」
「ふ~ん」

 そのまま会話は途切れた。
 剛は寝転がってテレビを見ている。
  は夕飯を作っている。
 無言。
 その状態は食事の用意が出来るまで続いた。
 先に口を開いたのは
「どうしたの?やけに喋らないじゃない?」
 料理をテーブルに並べながら言う。
「別に」
 剛はテレビから目を離さないで言う。
 明らかに口数が少ない。
「大丈夫だよ?私、ちゃんと帰ってきたでしょ?剛の側にいるでしょ?」
  は優しく話しかける。
 けれど、剛は動こうとも話そうともしない。
 視線もテレビを見たまま。
  は剛の隣に座った。
「テレビなんて見てないくせに」
 少し笑って言う。
「見てるよ」
 短く剛が答える。
「うそつき」
  が剛の頭をなでる。
「…俺、寂しかったんだぞ?何しても超つまんねーし」
 剛は少しばかり身体を動かして頭を の膝のに乗せた。
「一人?誰か友達誘って遊べばよかったのに」
 不思議そうに が言う。
「みんな予定があるって断られた。デートなんだってさ」
 剛がふてくされて言う。
「それはそれは」
  がクスクス笑う。
「笑ってんじゃねーよ」
「じゃぁ、ご飯食べよっか」
「ああ」
 二人は見つめ合ってキスをした。
 そして微笑み合う。
「剛、大好き」
「うん。俺も」



あとがき
まゆさんへの「702番(健くんの誕生日vv)ニアピンで703人目」小説です。(謎)
リクの内容は「同窓会」の続きだったのですが…。なんか、キャラ違う?
こんなのですみませんっ!!