メル友
俺の家。
俺の部屋。
俺のパソコン。
友人と一緒にビールを飲む。
今日はなぜか俺の家で飲んでいる。
まぁ、ドコで飲んでもいいんだけど。
ビール片手にパソコンを弄る。
A「よっちゃん何一人でパソコン弄ってんの?こっちで一緒に飲もうぜ?」
我が物顔で俺の部屋を占領する友人達。
快「おう。ちょっと待ってて。見たいとHPあるんだよ」
B「何?裏サイト?」
ニヤニヤしながら言う奴1名。
快「ちげーよ。俺達のファンサイトだよ」
C「へぇ。何でまた?」
別の友人が興味深そうにディスプレイを覗いてきた。
快「ファンの生の反応が見れるんだよ。日記とか、掲示板とか」
D「それなら2chに行けよ」
パソコンを扱い慣れてる奴が言う。
快「いや、いい。近寄りがたいよ、あそこは。前にお前が2chで俺の話題の話ししてくれたけど、ああいうのはちょっとさ…」
D「そうかもな」
友人は苦笑する。
俺はいつものようにV6のファンサイトを見てまわる。
基本的に見るのは毎日V6に関する更新があるトコ。
まぁ、大体日記。
あとは掲示板。
B「なぁ、この注意書きの「ドリーム小説」って何だ?」
快「小説の主人公とかが名前変換できるんだよ。このHPの場合はV6のメンバーと読者が恋愛してるかな」
C「ふーん。何か凄いな」
A「要は妄想小説?」
快「まぁ、なぁ」
俺はテキトーに返事をして日記を読み始める。
B「うっわ、何コレ!ハート飛びまくってるじゃんっ」
A「マジだ!!」
友人達を取り敢えず無視して読み終わったら掲示板へ移動する。
C「何だよ、俺まだ読んでねーのに」
快「知らねーよ」
あ…。
今日も書き込みがある…。
俺は、思わず手を止める。
最近気になって仕方がない人。
この掲示板にいつも現れる
さん。
どうやら俺のファンらしい。
だけど、過激じゃなくて、冷たくもなくて、他のメンバーも愛してくれてる感じ。
D「あれ、この
って人、よっちゃんのファンじゃんか」
A「よっちゃんにファンなんているんだ?」
快「おまえ、それ超失礼!!」
B「だって、他の5人のおかげで売れてんだろ?V6は」
快「僕だって今をときめくアイドルなのよっっ」
C「気持ち悪いからヤメロ…」
A「この人、ホントによったんが好きみたいだね」
C「メール送ってみれば?」
B「いいね!!キチョーなファンだよ!大事にしないと」
快「おまえらな…」
…でも、メール送るっていうのはアリかも。
A「送ってみれば?別に、お前が『井ノ原快彦』だって名乗る必要もないだろ?」
快「そうだな」
そのひ、結局俺はヨシというHNでメールを送った。
あれから2人は「メル友」になった。
彼女は俺のファンで年は坂本君くらい。
トニコンに来てくれると言ってた。
どうやら会場の近くに住んでいるらしい。
さんはとてもいい人。
本当にV6のことが好きなんだって分かった。
温かい目で俺達を見守っていてくれる。
嬉しかった。
せっかくだから会ってみたいと思った。
さんはO.K.してくれた。
コンサートの後、一緒にご飯を食べることになった。
彼女は携帯を持っていないらしくて、当日連絡が取れないから待ち合わせ場所を決めた。
コンサートが終わった後、ショップの前。
つまり、今、ココ。
スタッフと同じ格好して芸能人オーラ消してる俺に気付く奴はいない。
まぁ、もうあんまり人が残ってないからだけど。
ショップでグッズを買っている人はもう、殆どいない。
少し離れたところで待ち人来たらずな感じの女の人が1人。
きっと彼女が
さんだ。
結構可愛い。
全然、坂本君と年が近いなんて思えない。
あれは坂本君がフケてんのか?(違)
「あの、すみません。
さんですか?」
俺が視界に全く入ってなかった彼女に声をかける。
「はい。そうで…す…」
彼女は俺の方に向きながら言った。
「待たせてゴメンね。ヨシでぇすv」
俺はとびきりの笑顔(え)で言った。
彼女は固まっている。
うーん。
まぁ、俺のファンらしいしね。
…ショッピングバックから見えてんの、俺のポスターとうちわだし。
「時間、大丈夫なんだよね?」
訊ねると、俺を見たまま頷く。
視線が俺に固定されちゃってるよ。
彼女の手を取って会場の奥に進む。
たどり着いたのは俺の楽屋。
「どうぞv」
ドアを開けて、部屋の内側から俺は言った。
さんは、入るか迷ってるみたい。
「だぁ~いじょーぶ。取って食ったりしねぇって!」
俺が言うと、彼女が笑った。
初めて見た笑顔。
くぁ~いいvv
「じゃぁ、オジャマします」
「あ、そこのイスにでも座って?」
俺は部屋の中央にあるイスを指して言いながら、コーヒーをいれる。
「はい」
さんに差し出しながら、俺は彼女の向かい側に座る。
「ありがとう」
彼女が微笑んだ。
「俺、
さんに会うのスッゲー楽しみにしてたんだよね♪」
「私だってヨシさんに会うの楽しみにしてたんですよ」
「で?会ってみてどうだった?」
「…驚いた。だって、まさか、いの…はら君がヨシさんだなんて少しも思わなかったから」
少し拗ねたように彼女が言う。
「そっかー。ゴメンね?」
「あやまらないで!私、今、すっごくうれしい!!幸せ!目の前に井ノ原君がいるなんて!」
本当に嬉しそうに
さんが言う。
「ホントに俺のファンなんだ?(笑)」
「はいvvv」
「そっか。ありがとう!」
なんだか、すごく嬉しかった。
「ところで…俺、さっきからタメ口きいてるけど大丈夫デスカ?」
「全然大丈夫!!ていうより、むしろ嬉しい!」
「良かったぁ。俺、メル友だったせいか、どうも
さんに敬語てしっくりこなくてさぁ。見た目、超若いし。まさか、俺に教えてくれた年齢が嘘ってコトはないよね?」
「な、何言って…!?私をおだてても何も出てこないわよ!?」
あわてる
さん。
「あはははは。
さんっておもしれぇ~!!」
「だって、いの…はら君がおかしなコト言うからっ」
「思ったことまんま言っただけだよ。お世辞とかじゃないし」
さんは顔を真っ赤にしている。
「それから、メールでいつも「いのっち」って呼んでたのに何で「井ノ原君」なの?さっきから言いかけてるよね?「いのっち」って呼んでよ」
「…いいの?」
なぜか
さんは遠慮がち。
「何で?そんなのイイに決まってんじゃん」
「じゃぁ…いのっちv」
「は~いvvなぁに?」
「うっわー!!本物のいのっちスマイルだよっっっ」
さんがスゴク幸せそうな声をあげる。
「本物よ、本物。こんなによくにた偽物なんていないっしょ?」
「確かにね(笑)」
なんかいい。
楽しい。
このひと、波長が合うかもしれない。
「井ノ原いる~?」
坂本君がノックもせずにドアを開けた。
「あ?」
さんを見て固まっている。
「坂本君だ!!」
さんは坂本君を見て目を輝かせる。
「え?あ?ゴメン。俺、邪魔するつもりは…」
坂本君が気まずそうに言う。
「違うよ、坂本君。入って入って!」
俺は坂本君の腕を引っ張って、俺の隣に座らせた。
「
さん、この人、坂本君。って、知ってるよね?」
「は、初めまして!!」
さんは少し緊張しつつも、嬉しそうに坂本君に手を差し出した。
「あ、ハジメマシテ」
状況把握が出来ていない坂本君は、取り敢えず
さんと握手した。
「坂本君、この前話したメル友」
「…ああ!っておい!若いじゃねーかよ!?」
「うん。そうだね」
「俺と齢変わんねーんじゃねぇのかよ!?」
「…同じくらいですよ?」
おっと!
さんが返事!!
「ウソついてない?」
「ソレ、失礼!って俺も同じコト言った(笑)」
「2人ともマジで言ってるんですか?」
さんが不思議そうに首を傾げる。
「「マジだって」」
坂本君とハモっちゃったよ。(爆)
ぐう。
坂本君の腹の虫が鳴いた。
「わりぃ…」
別に何かが悪いわけでもないけど、坂本君が謝った。
「腹減ってんの?」
「当たり前だろ。あんだけ動けば」
「…確かに。そーいえば俺も腹減った」
「そーだよ!飯だよ!!」
坂本君が思いだしたように言う。
「俺、打ち上げ行くからお前呼びに来たんだよ!!」
「早く言ってよ!俺、こんな格好だし、帰りの支度もしてねぇじゃん!」
スタッフと同じ服装のままだよ。
「あ、それじゃぁ、私…」
さんが立ち上がる。
「え?どうしたの??」
荷物まで持っちゃって。
…ひょっとして帰っちゃうの?
「だって…。いのっち、今から打ち上げなんでしょ?」
「そうだよ」
「いつまでもここにいるわけにいかないし…」
「え!?今日何か用事あるの!?一緒にご飯食べるって約束したじゃん!!」
ショック!!
「もしかして、「ご飯一緒に食べる」っyr、打ち上げに一緒に行くってコト…?」
「うん。あれ?言ってなかったけ?もしかして嫌?あーどうしよぅ。俺、何も考えてなかったよ!!」
自己嫌悪だよ。
「全然嫌じゃない!!…私が行ってもいいの?」
うわっ、嬉しそうだしっ!
「ってか、誘ったのは俺だから」
「じゃぁ、
さん…だっけ?井ノ原、支度済んでないみたいだから、あっちに行ってよ?」
「「え?」」
「多分、コイツ見せられねぇようなモノのってるし」
「持ってねぇよ!!」
…いや、あるかも?(爆)
「でも、着替えるだろ?」
「…見せるもんじゃねぇな、確かに」
別にいいけど。(え)
「
さん、長野に会わない?」
「長野君!?」
食いついてるし。(苦笑)
「じゃ、俺着替えて支度できたら行くわ。どこ?」
「俺の楽屋」
「了解」
「行こうか」
坂本君がさんを促して楽屋から出た。
…さて、着替えますか。
坂本君の楽屋に向かって歩いていく。
扉の向こう側から楽しそうな声が聞こえてくる。
何か、胸がチクチクする。
ちょっとムカついたりして。
…何で?
「さ~かも~とく~ん」
ドア越しに呼んでみる。
「おう!入れよ」
中に入る。
「あ!いのっちの私服だv」
さんの黄色い声。
妙に照れる。
「井ノ原、照てrれんの?」
長野君が笑顔でからかう。
「ばっっ!なっ!!」
否定しようとして失敗。
うわっ、顔が熱くなってきたっっ!!
「井ノ原顔赤~いvv」
「長野君っ!!」
何でいつもこの人はこーいうトコ突いてくるかなぁ!?
「遊んでないで行くぞ!バンドの人達は先行っちゃったんだからな!?」
坂本君が大きな声を出した。
「はーい」
各自荷物を持って楽屋から出た。
さんは超ノリが良くて、でもケンキョ。
妙にハイテンションなオヤジ集団にも気に入られてた。
スゲー楽しそうな
さんを見て手嬉しくなった。
なのに、楽しくなかった。
さんが他の男と話してるのを見るとイライラした。
やっぱり、俺、変だ。
気付くと
さんを目で追ってる。
初めて会ったのに。
メル友ってダケなのに。
予感はあった。
ずっと気になる人だった。
だけど、何も知らない。
さんのこと、殆ど知らないのに。
好きなのかもしれない。
恋なのかも知れない。
自分で信じられねぇ。
でも、ウソじゃない。
確かに、俺の心の中に
さんが存在してるんだ。
打ち上げ終了。
バンドのメンバーはどこかで2次会するって言うけど、俺はそんな気分じゃない。
「
さんを送って行くから」
そう行って俺は断った。
さんは、俺が送るって行ったのに驚いてたけど。
チャンスだと思った。
2人きりになるチャンスだと思った。
俺の気持ちを伝えるチャンスだと思った。
俺と
さんを残して、みんなはどこか別の店へと消えていった。
「
さんの家ってこっから遠いの?」
「近いよ。歩いて帰れるくらい」
「本当?」
「はいっ」
お酒が入った顔で笑った
さんは妙に色っぽかった。
「じゃぁ、歩こうか」
俺は照れ隠しに月を仰ぎながら言った。
「もうちょっと、君と一緒にいたいんだ」
そう言うと、
さんは大きく目を開いて俺の顔を見た。
「ほんとに?」
さんの口から漏れたつぶやき。
「本当だよ」
「うれしい」
その笑顔は俺の心臓に響いてきた。
手を繋いで道を歩く。
「あのさっ」
「なに?」
「ねぇ、
さんは、彼氏いるの?」
「へ?」
さんはビックリしてる。
「やっぱ気になるじゃん?」
「いないよ」
「いないの!?」
うわ、俺スッゲー嬉しそうに叫んじまったよ。
「…いのっち?」
「
さんっ」
「なぁに?いのっち」
「好き!」
「え?」
「好きだぁっ」
俺は
さんに抱きついた。
「いいいいいのっち!?」
「俺、
さんのことが好き。マジで好き」
さん見たら、泣いていた。
「夢?夢なの?」
「夢じゃないよ」
「夢でもいい。嬉しい。幸せ。もう、死んでもいいよぉ」
「俺、
さんのことが好きだよ」
「うん。私もいのっち大好き」
「だから…俺と付き合って下さいっ」
頭を下げる。
「…ウソぉ」
「嘘じゃないよ」
「いのっち…?」
「俺と付き合って下さい」
「はい」
「よっしゃ!!」
ガッツポーズの俺。
「ありがと、
さんvvvv」
「ところでさぁ、名前、教えてくれない?」
「へ?」
「HNしか知らないんだよね」
「そうだっけ?」
「そうなの。だから、教えて」
「私の名前は…」
あとがき
もにょさんへのミラー2662人目有り難うございます小説デス。
リク内容は快彦とメル友が恋をするってことだったのですが…。
無駄に長いだけの話っぽくてゴメンナサイっっ!!!!!