ずっと一緒



 俺には、妹がいる。
 兄バカって言われるかもしれないけれど、超可愛い。
 兄貴としては、この世界一可愛い妹にどっかの馬の骨ともしれないヤツがくっつかないか心配でたまらない。
 変なヤツにだまされたりしないか、気になって仕方がない。
 絶対に、俺が守ってやるんだって思う。
 だって、俺は「お兄ちゃん」だから。

「お兄ちゃん、お早う」
 俺が目を覚ましてリビングへ行くと、がテレビを見ていた。
「あれ?お前なんでいるの?」
 今日って平日だよな?
 学校は?
「はぁ?もう、夏休みなんですけど」
「あっそ」
 …夏休みか。
 いいねぇ、学生さんは。
 俺には無縁だよ、夏休み。
 つーか、休み自体が疎遠だしさ。
「お兄ちゃん、今日は仕事ないの?」
「あ?ああ、あるけど」
 確か雑誌の取材が入ってたな。
「えー?何時に帰ってくる?」
「は?何で?」
 何でそんなこと聞くわけ?
「だって、今日はお父さんとお母さんが旅行に行っていないんだもん」
 …旅行?
 何で?
「あ、お兄ちゃん、何で旅行行くのか疑問に思ってるでしょ」
「ああ」
 さっぱりわかんねぇ。
「たまには夫婦水入らずでラブラブしたいんだって」
「は!?何ソレ!?」
 恥ずいって。
「良く分かんない夫婦だよねー」
「そうだな」
 ま、仲良きことは良きことかな。
 …俺も訳わかんねー。
「だからね」
 ん?何だっけ?
「今日、夜、お兄ちゃんがいないと一人になっちゃうの」
「へぇ」
 が家に一人、ね。
 寂しいんだろうな。
 まぁ、俺様的にも心配だけどさ。
 変なヤツがが一人だって知って家に入ってきても困るし。
 家の中が絶対安全な訳じゃないし。
 やっぱり、誰かがを守るべきじゃん?
 ってことは、夜には帰ってこないと、俺が。
「お兄ちゃん、今日は帰ってくるの?」
「ああ、多分な」
「多分って何?」
 が不安そうな顔をする。
「…帰ってくるよ」
 微笑んでやる。
「遅くなるかもしんないけどな」

 雑誌の取材って言っても、ただ話すだけじゃない。
 雑誌掲載用の撮影もある。
 そうそうすぐには終わらない。
 昼からの仕事。
 なんだかんだいって、色々予定がおしたせいで終わったのがさっき。
 もう11時。
 が待ってるから、早く帰ってやりたかったけど、そうもいかなかった。
 一人で寂しがってんだろうな、アイツ。

「ただいま」
 鍵を開けて中にはいる。
 返事はない。
 聞こえなかったのか?
 まぁ、モモとナナはもう寝てんだろうけど。
 は?
 まさか、あいつも寝てんのか?
 この前一人じゃ寝れないとか言ってたくせに?
 起きてるよな、どう考えても。
~?」
 読んでみるけど返事がない。
 …何で?
 何かあったのか?
 電気がついているリビング。
 でも、誰もいない。
 、何処に行ったんだ?
 自分の部屋にいるのか?
?」
 部屋の前で呼んでも返事がない。
 でも、ドアから光が漏れてる。
 ノックしてみる。
 やっぱり返事がない。
 ドアノブに手を掛けると、鍵はかかってなかった。
?」
 名前を呼びながらゆっくりとドアを開ける。
 いた。
 ベッドの上でヘッドフォンを付けて本を読んでいる。
 がやっと俺に気づく。
「あ、おにいちゃん」
 はヘッドフォンを外して、俺のトコに来た。
「お帰りなさい!」
 嬉しそうに微笑む。
 そうだよな。
 いままで一人だったわけだし。
「ただいま」
 の頭を撫でてやる。
「ご飯食べた?」
「ん?いや、まだ」
 食事断ってすぐ帰ってきたからな。
「よかった!私作ったんだよ」
「え?が??」
「何、その反応」
「いや、なんでも?」
「そんなこと言ったら食べさせてあげないんだから!」
「それは、困る」
「うそだよ。お兄ちゃんのために作ったんだもん。お兄ちゃんに食べて貰わなきゃ」
 そういったが可愛すぎて、俺は思わず抱きしめた。
「ありがとな」

「さあ!食べて食べて!!」
 が作った料理が目の前に並ぶ。
「イタダキマス」
 ちょっと信用できない。
 最近の料理食べてないけど、昔は酷かったからなぁ。
 まぁ、少しは上手くなったんだろうけど…。
「どう?」
 向かい側に座ったが上目遣いに俺を見る。
「ん…」
「え?ダメ?」
 が不安そうな顔をする。
「…うまい」
 うまいじゃん。
「本当!?」
 お、うれしそうだな。
「上手いよ。いいんじゃない?いいお嫁さんになれるよ」
「…」
 あれ?
 
「どうした?」
「…私、お嫁になんかいかないもん」
「は!?」
 コイツ、突然何言い出すの?
「ずっとこの家にいるんだもんっ」
 ワケわかんねぇ。
「何?そんなに俺と一緒にいたいわけ?」
 わざとふざけてみる。
 これで少しは元気になるだろ?
「…うん」
 え?
「俺と一緒にいたいの?」
 
「ブラコン?」
「…」
 俺だって、ずっとと一緒にいたい。
 嫁になんていって欲しくない。
 だけど、一緒にいると、いつか。
 俺は、いつか過ちを犯してしまうだろう。
?」
「お兄ちゃんは、私のこと、好き?」
「当たり前だろ」
「…兄妹として?」
 違う。
「…ああ」
 沈黙。
 
 何が言いたいんだ?
「私も、お兄ちゃんが好き」
 が、涙をこぼした。
「だけど、違うの」
「違う?」
「男の人として、好き」
 
「じょ、冗談だろ?」
 やめてくれ。
 そんなこと言うなよ。
 俺をこれ以上苦しめないでくれ。
「本気だもん」
 …。
「ごめんね、おにいちゃん。びっくりしたよね。忘れていいよ。だって、兄妹だもんね」
 本当に?
 は、本当に俺を男として見てるのか?
 ウソじゃないのか?
 冗談じゃないのか?
 本気なのか?
「ごめんね」
 は立ち上がって、部屋を出ていこうとする。
「待てよ」
 は、背中を向けたまま止まった。
「本気で言ってんのか?」
 が頷く。
「男として、俺が好きなんだな?」
 また、頷く。
 俺は、ゆっくりに近づいた。
「嬉しいよ」
「…え?」
 に抱きついた。
「俺も、が好き。女として」
「お兄ちゃん?」
「兄妹なんかじゃないよ」
 の瞳から大粒の涙が溢れてくる。
 指で拭ってやる。
を愛してる。ずっと、愛してた。もう、随分前から」
「嬉しい…」
 キス。
 兄妹で。
 だけど、恋人のキス。
「お願い。ずっと一緒にいて」
「ああ」
「離さないで」
「ああ」
「愛してる」
「俺も、愛してる」



あとがき
まゆさんへのミラー8008人目ありがたう☆小説です!
リク内容は「いもうと」「2人で眠ろう」の続き。ついにくっつけましたがな。(何
こんなのですみません。また、懲りずに踏んでいただけると嬉しいです!