ワンコが好きなヒト



 私は犬が好きだ。
 だから、犬を飼ってる友達の家によく遊びに行く。
 今日も、そう。
ちゃんって、ほんとにワンコすきだネ☆」
 犬と戯れる私の後ろから、声。
「健くんもでしょ?」
 振り返ると優しい笑顔。
「だって、ワンコは僕の家族だもん」
「そっか」
「うん」
「でもさ、ちゃんもワンコ飼えばいいのに」
 健くんが不思議そうに訊いてくる。
「私のアパート、ペット禁止なの」
「隠れて飼うとか?」
 笑顔で言う健くん。
 時々、本気なのかよく分からない。
「無理だよ。それに私、よく家を空けるし」
「はっはーん。そういうコトね」
 健くんは不適な笑みを浮かべてみせる。
「ちょ!健くん!?」
「結局毎日ワンコに会ってるから飼ってるのと一緒かぁ」
「そんな毎日なんて行ってないって!」
「えー?本当に?」
 なんて、感じで。
 まぁ、犬と関係ない話題も当然あるけど。
 犬と遊ぶことが中心で。
 散歩したりとか。
 とにかく。
 私は、犬が好きで。
 犬と遊ぶために友達の家に行ってるわけだけど。
 犬と遊ぶためにいってるだけなんだけど…。

!!!」
 剛の部屋でモモと遊んでた私は、突然開いたドアにビックリした。
「剛。おかえり。早かったね」
「お前、また健の家に行っただろ?」
「うん。行ったよ」
 剛が黙り込んだ。
「剛?どうしたの?」
「…どうしたのじゃねぇ。何で健の言えなんかに行くんだよ」
「え…だって、ワンコが」
 何か、怒ってる?
「だってじゃねぇ!もう、絶対行くな!!」
「どうして?」
「行くな」
 理由は言ってくれないんだ…?
「でも、ワンコに会いたいよ」
「モモがいるだろ!」
「そうだけど…健くんちにのワンコもお友達だもん」
「知るかよ!!」
「剛?」
「なんだよ」
 明らかに苛立ってる。
「なにか、あったの?」
「べ、別に何もねぇよ!」
 …何も言ってくれれない。
 剛は頑固者だから、言わないって決めたら絶対言わない。
 どうしようもない。
 ♪♪~~♪♪~~♪♪
 この着メロ、私の携帯だ。
 相手を確認する。
 …健くんだ。
 今出るのヤバイのかな?
 剛、こっち睨んでるし。
 でも、やっぱ、出ないわけにはいかないよね?
「もしもし」
『あ、ちゃん?』
 底抜けに明るい声が返ってくる。
「うん」
『いま、電話出て大丈夫なの?』
「微妙…」
『そっか。じゃぁ、手短に話すね」
「あ、うん」
 何の用だろう?
『今日、剛機嫌悪いでしょ?』
「あ、うん」
『あー、やっぱりね』
 健くん、何か知ってるの?
『実はさぁ、今日ちゃんがうちに来てたこと話してちょっと機嫌悪くなったんだよね。ついでに俺、悪ノリしてあることないこと言ったんだよね』
「はぁ?」
 あることないこと?
「ないことって何!?」
『ん?まぁ、たいしたこと言ってないし、剛も信じてないみたいだったけど』
「だから、何言ったのよ?」
 誤魔化されないんだから!
『大したことじゃないんだけどさ』
「だから、何を言ったの?」
『アレだよアレ。剛は嫉妬してんだよ』
「…え?」
 剛を振り返る。
 …睨んでるし。
『じゃ、そういうことだから』
「はい?」
『またね!バイバイ☆』
「ちょ、ちょっと!?」
 ブチって、携帯切れたし。
 健くん…。
 自由すぎ。
「誰?」
 剛がきいてくる。
「んと、健くん」
「はぁ!?」
 うわ、怒った。
「んと、なんか、剛にあることないこと言っちゃったからどうとかって…」
「何だそれ」
「よくわかんない。電話きられちゃったし」
「あ、そ」
 あ、明らかに今の安堵でしょ?
「なんかね、剛の機嫌が悪いのは嫉妬だからって言ってた」
「はぁ?」
 あ、顔が赤くなった。
 やっぱ、健くんの言ってタコとって本当なんだ。
「ね、剛」
「なんだよ」
「私、ワンコ大好きだけどさぁ」
 剛のほっぺに不意打ちのキス。
「世界で一番剛が好きだよ」



あとがき
知佳さんへの23300人目ありがたう小説です。
なんか、よくわからなくなってしまってすみません。リクエストに添えてるのかとても心配です。
っていうか、健君が中心になっちゃった?(汗