キミが、恋しい。



「なんか翔くん元気ないね」
 二宮に言われてハッとする。
「んなことねーよ」
 笑ってみせる。
 んなことはねーんだ。
 別に何があったわけでもない。
 むしろ、何もない。
「わかった!ちゃんと何かあったんだ!?」
 相葉ちゃんが茶化す。
「なんもねーよ」
 笑う。
 なんもねー。
 マジで。
 悲しいくらい。

 彼女、なんだと思う。
 俺はそのつもりでいる。
 のこと、大切だし。
 だけど、はどう思ってるんだろう?
 わかんねぇ。
 手をつなぐだけで幸せ。  一緒にいるときに笑っていてくれるだけで…。
 だけど。
 キスがしたい。
 もっと近づきたい。
 誰よりものそばにいたい。
 なのに。
 は避ける。
 悲しいけど、の嫌なことはしたくないから。
 俺は、何も出来ずにいる。
 ただ、隣にいることしかできなくて。

「何もないって、だったらどうしてヘコんでんの?」
 松潤がのぞき込んでくる。
「そーだよ。二人でラブラブだったじゃん」
 リーダーが背中をたたく。
 …イタイ。
「なんもねーんだよ」
 笑おうとする。
 何故だろう。
 笑えない。
「もしかして、忙しくて会えないんじゃない?」
 二宮にはどうして分かるんだろう。
「そっか、確かにデビュー5周年で仕事多いしね」
 松潤が言う。
「まーな」
 確かに会えなかった。
 仕方がなかった。
 だけど。
 俺は、会いたかった。
 会いたくて仕方がなかった。

 メールを送る。
 どんなに長いメールを送っても、返信は遅くて短い。
 がメールを打つのが苦手だと言っていたのを思い出す。
 それでも、不安になる。
 俺からのメールがウザイんじゃないかって。
 俺の事なんて、どうでもいいんじゃないかって。
 電話しても、ほんの少しだけ話して切ってしまう。
 ねぇ。
 は俺のことどう思ってんの?

「今日は?会えるんじゃない?」
 相葉ちゃんが時計を指す。
「そうそう。夕方には仕事終わるじゃん」
 リーダーがうなずく。
「そうだね」
 返事はしたものの、何も出来ない。
「電話してみれば?」
 松潤に促され、ケータイを開く。
 会いたい。
 素直に伝えよう。
 キミが、恋しい。



あとがき
真梨絵さんへキリ番28000人目ありがとうの小説です。
嵐のまだ個人作品のないキャラと言うことで、櫻井さんになったわけですが…。
あんまり希望に添えてなかったらゴメンナサイ。(汗