MUSIC FOR THE PEOPLE



「ねぇ、博。自分の歳、分かってる?」
「はぁ?」
 が突然よく分からないことを言った。
「あのね、この前ヒガシくんが、中居くんのお腹が出てるって言ってたから」
 そういえば、SMAPはヘソ出し衣装着てないな。
「俺は腹でてないだろ?ちゃんと気をつけてるし」
「うん」
 はまだすっきりしない顔してるし。
「何?」
 さっぱりわからないんだけど?
「博、本当に今年で33歳?」
「いや、年齢を偽った記憶はないんだけど」
 、本当にどうしたんだ?
「かっこいい博、好きだよ」
「ありがと」
「だけどね、不安になるの」
?」
「私は、普通の早さでどんどん歳をとっていくのに、博は若いまま。デビューした時から変わらないの」
 の瞳に涙が溜まり始めてる。
「なんだか、博だけ、違うところにいるみたいだよ。私を置いて、一人で、どこか行っちゃいそうで。私…」
 ごめん。
 そんなこと考えてたなんて、気づかなかった。
 の目には、俺は、どんな風に見えているのだろう。
「あのさ、。こんなの、俺のエゴでしかないのかもしれないけど、人って、誰でも何かを追い求めるものだと思うんだ」
 俺はただ、一つの夢に向かって燃えているんだ。
 10年前から、ずっと。
「…博?」
「俺にとって、それは、V6でさ。6人で、トップに立ちたいんだ」
 分かってるんだ、俺だって。
 そのせいで、を淋しくさせてるって。
「どうしても、俺、トップに立ちたいんだ。6人だったら、絶対、出来ると思うんだ。俺たちの力を信じたいんだ」
「うん。分かってる。分かってるよ。私だって、V6にトップに立って欲しい。トップに立てると思ってる」
 力強い目で言ってくれる。
 嘘はついていない。
 だけど、が不安に思っているのも伝わって来るんだ。
「きっと、あと少しなんだ。もうすぐなんだ。のこと、淋しくさせてるのは分かってる。だけど、許して欲しいんだ。この夢だけは、叶えたいんだ」
「うん。私も、叶えて欲しい」
「俺、どんなことがあっても、絶対のもとへ帰ってくるから。だから。不安になるかも知れないけど、約束するから。帰ってくるまで待っててくれ」
「ありがとう、博。その言葉だけで充分だよ」
 が、笑ってくれた。
「やるだけやって、闘って、燃え尽きたら、俺、の所に帰ってくるから。俺の帰る場所は、ココだけだから」
「じゃぁ、博が帰ってきたら、全力で癒してあげないといけないね」
 優しく言って、は、俺の頭をなでた。
「待ってる。私、博が帰ってくるのを待ってる。だから、博は自分の空を飛んできて。翼を広げて、風を切って、そこらへん飛んでる鳥なんかより素早く。歌って、踊ってきて。やりたいこと、思い切りやってきて。そのせいで、どんなに傷ついても私が癒してみせるから」
「サンキュ」
 嬉しい。
「だけど、最後は、自分自身と闘うことになるから。また、のこと、淋しくさせちゃうと思うんだ」
 10年前から続いている、たった一度きりの青春を、途中で終わらせるわけにはいかないんだ。
「いいよ、それでも。淋しくなったら、淋しいって言うから。ずっと、博のこと、見てるよ」
 ありがとう。
「絶対、この手に掴んでみせるから」
「うん」
 絶対、6人でトップに立ってみせるから。
 それまで、待ってて…。