微熱のWoman



「いい?ちゃんとベッドの中にいるんだよ?」
『はぁい』
 せっかくのデートの予定。
 だけど、が熱を出した。
 まだ37.9℃らしいけど。
 気をつけなきゃ、すぐに高くなっちゃう。
 つきあい始めた頃は、仮病なんじゃないかって思ったりもしたけど、そうじゃなかった。
 いつもはとっても元気なだけど、だからこそ、時々体調を崩してしまう。
 別に僕を避けているわけじゃなかった。

 風邪薬と、消化の良さそうなものを買っての家。
 さっき電話でベッドの中にいてって言ったのに、合い鍵で中にはいると、ったらリビングで仕事をしていた。
「あ、健くんいらっしゃい」
「いらっしゃいじゃないでしょ?ベッドの中にいてって言ったじゃん」
「さっきまでいたのよ?ただ、ちょっと気になることがあって……」
 ちっとも反省してないし。
 どうして自分の身体を大切に出来ないの?
「もういいよ。ご飯買ってきたから食べなよ」
「ありがとう」
 やっぱり。
 食べてないんじゃん。
「いい?せめて熱の出た日は仕事とかつきあいとか放っておいて、ちゃんと食べて眠りなさい。わかった?」
「はぁい」
 気のない返事。
 ったら、井ノ原くんみたいに多趣味で友達多くて。
 そっちばっかり一生懸命だから、デートが休息日とかしてる。
 僕はと会えるの楽しみにしているのに、熱を出したり、体調良くても途中でうたた寝したり。
 つい、意地悪してみたくなる。
 ホント、普通の男ならあきれてのこと捨てちゃってるよ?
 だけど、ボクはちゃんとのこと分かってるつもり。
 今すぐ結婚してなんてことは言わないけど、いつかは……ね?
 こういうのは時期があるじゃん?
 僕ほどのこと認めてるヤツはいないと思ってるよ。
 本当は、鳥かごの中にでも閉じこめてしまいたいんだけど。
 僕はの愛さえあれば生きていけるけど、はそうじゃないみたい。
 いっつも愛以外の何かを探してる。
 確かにアクティブなは好きだけど、もう少し僕らの愛に夢を感じてほしいな。
 を見守る僕は、すごく愛しく思ってるけど、同時に耐えてるんだよ?
 いつも何か探してるが傷ついた時に受け止められる男になろうって。
 絶対気づいてないでしょ?
「たまにはさ、二人でぼんやり旅をしようよ」
 そう言ったら、ははしを口にくわえたままあっけにとられてた。
「もう、健くんたら。そんなヒマないでしょ?」
 そう言って笑った。
 ちっとも本気にしてないし。
 頑張るは好きだよ。
 だけど、頑張りすぎないで。
 いつも、常に頑張らなきゃいけないわけじゃないんだよ?
 僕に会えなくなったら少しはショック受けてくれる?
 いろいろ頑張るも好きだけど。
 でも、もう少しだけ僕らの愛に夢を感じて?